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序章 悪魔の接吻
語部篝史と申します。
のんびりと悲しい戦記物をやっていくので、よろしくお願いします。
「もし生まれ変われるなら」、なんて言葉は嫌いだった。
世の多くの人が使うそれは、
まるで死にたがっているようで。
まるで今が幸せじゃないみたいで。
------まるで今の人生では、どうあがいても幸せになれないみたいで。
どうしようもなく、救いのない言葉だと思っていたから。
嗚呼、でも。けれど。
僅かな人と出逢うなかで、沢山の人を殺すなかで、
今、こうして君と向かい合っているなかで。
弱い私は思ってしまう。
≪ねぇ、「―――」≫
≪もし・・・もし、生まれ変われるなら―――≫
ぞぶり、と優しい音がして。
私の頭蓋は砕けて散った。