衝撃
「君に少し話したいことがある」
全く知らない連絡先からメールが届いた。
件名にそう書いていたが、本文を読めばそれが誰から来たのかは分かった。
岳にも来るようにメールを送ったが、行けそうにないから代わりに行ってとメールが来た。
「それで話したいことは何ですか?」
「あれから何か分かったことはあるか?」
「田中さんは殺されたということが分かりました」
「そうか」
「殺したのはあなたですか?」
「いや、殺したのはあのクラス全員だよ」
「責任を逃れるためにそんなことを・・・」
「あんなやつは死んで当然なんだよ」
「あなたが言う台詞ではないですよ」
「あいつは最低な人間なんだよ」
何か食い違うような感覚というか違和感がある。
まだ何かある。
「危ない!!」
先輩の言葉に反応して振り返るが既に遅かった。目の前で振り下ろされたバットは自分の頭に強く叩きつけた。
「・・・・・・・・・うん?」
そこには椅子に縛り付けられた俺がいた。隣には先輩もいて、捕らわれたのだとすぐに理解した。
「すまない。気付くのが少し遅れてしまった」
「あの、一体誰がこんなことを」
「おはよー、『キャプテン』」
そこにいたのは、淡菜高校野球部副キャプテンにして、俺と共に事件を解決しようと尽力していた人間だった。
「岳。お前がまさか・・・」