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  作者: 高壁護
1/7

五年前、ある高校で一人の男子生徒が転落死した。

その後警察が来て、事故として片付けられた。

しかし、その事故にある噂が芽生えた。


「本当は事故ではなく殺された」・・・と。




「しっかし、暑いなぁ」

下敷きをうちわ代わりにして、涼んでいるもののこの猛暑は受け入れ難いものであった。

「早く部活行こうーぜ」

「部活とか行きたくない~」

「新チームのキャプテンになったんだから、シャキッとしてくれよ。沢野(さわの)(しゅう)キャプテン」

県予選で二回戦負けを喫した淡菜(あわな)高校野球部の三年生は夏休みを前に引退し、新チームで秋の予選のために練習を始める。

その新チームのキャプテンがこの俺である。

そして、今話してるのが副キャプテンの岳だ。

「それにしても負けてすぐ練習とかしんどいな」

「勝つためには練習あるのみだろ」

「キャプテンらしいねぇ」

ランニングを終え、守備練習を始める。



「それにしても楽しみがないなぁ」

ぶつくさと戯れ言を流す副キャプテンは、きっとやる気が無いのだろう。

「なぁ、野球部恒例の肝だめしは?」

「それは去年で最後だろ。あんなことあったんだから」

肝だめしとは野球部が面白半分で夜中に学校を歩き回るという誰も得しないイベントである。

しかし、去年。

野球部ほぼ全員で、学校内を肝だめしした時に、一人の先輩が突如姿を消した。

それから翌日の朝に階段の下で亡くなっているのが発見された。これが原因で野球部は半年部活動を停止した。

警察は事件として見ようとしたが、結局事故として処理されることになった。

「まぁ、そうだよな。でも、やってみたいだろ」

「やりたくない。行きたいなら、一人で行けよ」


「だって、噂もあることだしさ」


「あんな噂信じてんの?」

「あんな噂って言い方、信憑性はあるぞ」


噂というのは、ここ最近階段から落ちるという事故が何故か続発していて、その原因がこの学校で事故死した男子生徒が怨霊となって誘発してるというものである。

幽霊はいるとは思うけど、幽霊自体が事故に何かしら関連してるなどはあり得ないと思う。


「そもそも死んだ男子生徒って誰のことだよ」

「あー、それはな、噂の中では五年前に転落死した『田中翔』っていう人らしい」

「じゃあ、肝だめしはやめて噂の調査でもするか、それで文句はないだろ」

「おー、確かにそれなら楽しいかも」

「まー、幸い今度のその代くらいの先輩が体育館で講演的なものをしに来てくれるらしいし、その時に調査すればいいんじゃないのか?」

こうして、二人での調査が始まった。

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