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東京HEAVEN  作者: いとむぎあむ
Yの章
8/39

プロローグ

『逆日本』 そこは、死んだ者と魔人、魔女たちが集う世界。



 高橋哲平たかはしてっぺい。別名:御堂隆樹みどうたかき。彼は、魔人科学者、御堂ツバサにすべてを託され、仲間を見つけて、この逆の世界にも身を置いている。けど、もう一人の「哲平」を捨てたわけではない。彼は、二つの仮面を使い分け、この地上で生きていく。


 歪羅刹ひずみらせつ。哲平の同級生の魔女。逆東京都の桑田の作った「護柱ナイツ」の一人。哲平に煉獄眼ディスホールドを与えた御堂ツバサの恋人。歪蘭玉の妹。現在では珍しい魔女の一族の生き残りである。


 桑田宗助くわたそうすけ。逆東京の管理者にして、護柱ナイツを作った人物。だらしなくて、散らかし癖があるが、頼れるお父さんキャラ。いつもニコニコしているけど、怒らせると、羅刹でも手が出せないほど。



 彼等の物語は、今始まった。




 今日も、学校が終わってから桑田の家に集合することになっている。昼間はバイト、夜は学校で深夜には桑田の家。いくらなんでも、ハード過ぎる。俺の…いや、今は僕か。僕の体が持たない……



 そして、深夜零時。いつも通り、適当な電車に乗った。制服のままで。そして、駅名が僕の目を通り過ぎる。


                 『逆東京駅』


 扉が開き、何人もの魔人、魔女が出てきた。哲平も『隆樹』に性格を変えた。そして、駅から10分で、桑田の家に着き、ドアを開ける

「おっス。らせ――「馬鹿者がァ!!!」おぶっ!!」

 羅刹の投げた分厚い辞書が、隆樹の顔面に直撃。何故なら、受けるはずだった桑田が避けたからである。


「「あ…」」


「テメーら・・・っ!」

 隆樹は怒りパワーによって、辞書を握りつぶした。これには、さすがの羅刹も硬直。ワナワナと拳を震わせる隆樹だったが、さっきので顔を腫らせ、倒れてしまった。

 隆樹の額に湿布を叩くように貼る羅刹の機嫌は最悪。

「ありがとう、羅刹」

「別に。アンタのためじゃないし。で、問題は桑田よ」

「アハハ。先ほど説明した通りです」

「コイツ、これからやる筈だった実験用の用具と魔薬まやくをぜーんぶダメにしちゃったのよ!?信じられない!!」

 ナルホド。これなら、羅刹じゃなくてもブチ切れるはずだ。で、羅刹の話では、その魔薬が売っている店の店長が、こんなこともあろうと予測して、全部予備に用意していたそうだ。羅刹は、桑田と部屋の掃除をするため、俺一人で行くことに。


 『魔薬専門店 蘭瑛らんえい』の看板の怪しい店。悪臭漂う店内に進むと、奥の机には、銀髪の煙管を咥えた若い青年がいた。第一印象、銀色の狐…?

「やぁ、いらっしゃい。キミ、桑田のとこの新入りさんやろ?ボクも話聞いとりますわ。ボクは、バイト人の内海妖うつみよういいますわァ。以後、よろしゅう。実は、店主が風邪引いといてな、店番やってんのや」

「は、はぁ…」

 簡単に握手を交わすと、妖が奥から大量の薬品と器具を持ってきた。

「台車か…、しかも二台。キツイな…」

「なんなら、お手伝いしましょか?」

「え?いいんですか??」

「ええよ。店番も飽きたしなァ」

 妖は扉に閉店と板をかけると、二台を引き始めた。


 そして、休み休み桑田の家に着いた。

「羅刹!持ってきたよー!」

「はいはーい―――」

「久し振りやなァ、羅刹ちゃん♪」

「なっ!?狐目!!」

 羅刹は、殺気を放った。隆樹はどうしたらいいかと、オドオドしていた。すると、そこへ桑田が入り込んできた。

「はいはーい。ここで喧嘩しない。やぁ、久し振りだね。妖クン」

「いやァ。結構な嫌われようやな…。お久しゅう御座いますわ、桑田さん」

「えっと…、どういうこと?」

「あぁ。彼は、護柱ナイツの一人、内海妖クンなんだよ。知ってる人は少ないけどね」

「え……?えぇぇぇぇ!!!!????」


 ま、マジっすか!?

*予告

 俺の新た生活の中、現れた同じ護柱の内海妖。いつも通りと思っていた中、何かが起きようとしていた。


 次回『不穏な動き』

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