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エピローグ
「きっと、この後も言い争うこともあるだろう。それでも、俺は、君の傍にいたい」
俺が彼女に告げたその言葉一つで、俺等の争いは収まった。今まで苦しんできた分、これからは共にその苦しみを分かち合って生きていくから。だから……、
*** ***
逆大阪・とある茶屋
~♪ ~♪
上機嫌に鼻歌を奏でながら、団子を食べる一人の女性。その両手には新聞。
「…ん?大魔人のじじぃが危篤?……嫌な予感がするわ。久し振りに、逆東京に帰ろうかしら」
女は竹串を口に咥えたまま、茶屋を去っていった。そして、会計の際に領収書をお願いした。女将さんが、お名前の方は?と聞くと、女は少し考えて。
「んじゃ、“内海イサナ”で!」
*** ***
翌日。妖は、腰を痛めた祖父の代わりに店番をしていた。その際、首から落ちた勾玉のペンダントを大事そうに見つめた。そして、呟いた。
「怪… 」
そして、また幕が上がろうしていた。
Yの章、終了