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へなちょこESP倶楽部  作者: 鳥越 暁
連れ去られる超能力者
8/18

やってきた『あの男』

 〔私立神力高校〕

●全体朝令

 「本日、本校は文部科学省よりスーパーサイエンス校に認定されました。化学部や生物部の諸君らの研究が評価を受けました。これは誇らしい事です。……で、あり、本日よりひと月の間、この蔵内静先生が文部科学省から視察に参られました。各教室に訪問することもあると思いますが、質問等には誠実にお答えしてください。また、スーパー……。」


 文部科学省から視察に来た蔵内(くらうち)(しずる)という者は、【あげは】のカウンターに座り、日向舞の道場にやってきた男であった。


★       ★       ★       ★


 2時限目の数学の時間に、あの男が僕の教室にやってきたんだ。

 視察と言う事で、黙って教室の後ろに立っていたんだけど、ずっと視線を感じてたんだ。


 授業の最期の10分間で、あの男が持ってきたという小テストを受けたんだ。

 そのテストを見た瞬間に分からない! って思ったよ。問題の意味すら分からなかったんだ。

 それでも、精神を集中して問題を眺めて、答案用紙を見ると、答えが書いてあった。


 ううん、書いてあったというのは正確ではないと思う。透けていたって言うのが一番ふさわしいかなぁ。答えがうっすらと浮かんでいるって感じかな。


 答え合わせをしたらね。


 「望月! お前だけ満点だ! 良く解けたな! 」


 「は、はい…… 。あ、あの、なんとなく…… 。ははは…… 。」


 「なんだなんだ。まぐれじゃ解けんぞ、あの問題は。実は私は90点だった。」


 余計な事を数学教師・鈴元が言うので僕は注目されちゃったじゃないか。

 みんなが『すごいな』とはやし立てる中、何気なくあの男を見たら…… 。




 「なるほどね。物凄く冷淡な顔で見ていたってわけね、優太君を。」


 「うん、なんか背筋に冷たい汗が出たよ。」


 僕は放課後に、いつもの【あげは】でひかると舞先輩と一緒に話をしているんだ。

 話題は、もちろん、あの男の事だった。


 「私のクラスでも、そのテスト、やったわよ。優太君の言う通り、答えが透けていたわ。でも、あの男は来なかったし、なんか嫌か気がしたから、でたらめな答え書いたけどね。」


 「ふむ、3年の私のクラスにも来たぞ。テストはひかると同じように処理したがな。やはり私の事をじっと見ていたよ。」


 「え~っ! 僕もでたらめ書けば良かったのかなぁ。」


 「ふふふ、いいんじゃないか? 注目を浴びれたわけだし。」


 「そんな、僕は注目なんか浴びたくないよ。目立ちたくないのにぃ。」


 僕はほっぺたを膨らませて怒って見せた。

 そんな僕を見て、ひかるも舞先輩も、そしてマスターも大笑いしてた。


 「とにかく、なるべく目立たぬようにした方がよさそうだな。まだ相手の真意が分からんからな。」


 という舞先輩の言葉に、ひかるも僕も黙って頷いた。



 最近の僕はそんなに力まなくても楽にスプーンを曲げられるようになっていたんだ。

 マスターは、次は触らないで曲げるようにイメージしてご覧って言ってた。

 そんなことできるわけないよ。本当の超能力じゃん、それってと思ったんだ。


 それから、学校では常に視線を感じてた。

 あの男が来て2週間がたったある昼休み、声が聞こえてきた。


 ≪この声が聞こえた君は、すぐに体育準備室に来てください。≫


 僕は屋上で本を読んでいたんだけど、校庭を眺めると何人かの生徒が『きょろきょろ』していた。きっとあの声が聞こえたんだと思った。

 僕はどうしようかと思ったんだけど、無視することにしたんだ。

 だって、ひかるが校庭の木陰から僕に向けて両手を交差していたからね。『ばつ』って言う風にね。


 午後の授業が始まった時、クラスメートの一人、南明菜という娘がいなかった。みんなは何事もないように授業を受けている。




 僕はなぜか、胸騒ぎがした……。


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