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へなちょこESP倶楽部  作者: 鳥越 暁
連れ去られる超能力者
6/18

誰かが見ている!?

 放課後、いつものように僕は【あげは】に行ったんだ。


 もうそこには、ひかるがいた。


 「やあ!」と声をかけようとした時、ひかるは僕の方を見て人差し指を一本立てて、唇にあてた。


 (しっ~ぃ)


 声をかけるなと言うことらしい。


 僕は無言でひかるの座るテーブルに座った。

 まだ、ひかるは無言で人差し指を唇にあてている。 

 僕は黙って頷いたんだ。


 ふと店内を見渡すと一人の男性がカウンターに座って新聞を読んでいる。

 珍しくもない光景なんだけど、なぜか気になった。


 マスターが紅茶を持ってきた。


 「優太、いらっしゃい。今日は一人かい?

  アンブレって紅茶だ、今日はこれがいいんだ。」


 そう言って片眼をパチリとして戻っていった。


 僕は、そのアンブレって紅茶を啜った。

 げっ! 不味い!


 ははあ、なぜかは分かんないけどひかるは存在を消しているんだな。

 

 僕はなぜ、ひかるの存在を認識できるかって?

 それはひかるの髪の毛が入っている小さな袋を身につけているからなんだ。

 なんでも、その髪の毛はまだ生きているんだって。

 どうやっているかは聞いてないし、どうせ理解できないと思う。


 カウンターの男性が気になって仕方なかったけど、その男性は会計を済ませ、やがて出ていった。


 「もう、いいよ、優太君! 」


 「うん、今の人? どうしたの? 」


 「今の人、力を持っているわ。透視のね。」


 ひかる、星野ひかるは超能力を持っている人が、その力を含めて分かる。

 

 「ふうん、そうなんだ。

  でも、なんでひかるちゃんは存在を消してたの? 」


 「なんか良い人には感じられなかったから。

  悪い気ではなかったのだけれどね。」


 「そうかあ。

  ところでマスター! この紅茶不味いよ~っ! 」


 僕は叫んだ。


 「はははっ! 優太も力が伸びてきたんだなぁ。」


 ってマスターは笑って代わりの紅茶を持ってきた。


 「ほれ、ニルギリだ! 」


 「ありがとう。やっぱりこれだねぇ。」


 と僕が言うとひかるとマスターは顔を見合わせ笑ったんだ。



 「さっきの人さ、なんか僕、見られてる気がしたよ、じっと。」


 「見てたわ、あの人、優太君の事。あの人はメガネかけてたけど、あのメガネがESPの必須アイテムだわ。多分、伊達メガネね。」


 ひかるは、かの男性が予め、僕を目あてにこの店にきたと見ていた。

 目的までは分からないが…。

 それと先程、マスターが出したアンブレという紅茶はESP能力を抑える効果があるんだそうだ。


 「とりあえず、気を付けることね。優太君。」

 「うん。」



●神力公園

 【二人の男がベンチに座っている。

 新宿区中野坂上のとあるビルの一室にいた二人の男である。


 「どうだ? 」


 「今日の所はなんとも。

  ですが、あの喫茶店には他にもいそうです。」


 「組織か? 」


 「組織…。組織とまで纏まっているようには思えませんでしたが、はっきりとは…。」


 「ふむ、でこの後は? 」


 「はい、あの駐車場のVTRに映っていたもう一人の女子高生の所に行って見ます。」


 「その娘も? 」


 「たぶん……。」


 喫茶店のカウンターに座っていた男は胸の内ポケットから1枚の写真を取り出した。

 そこに映っていたのは日向舞であった。


 舞の元にも、この男は訪れる……。】


 

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