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羽化0:キャバ嬢チヒロ

内容的には恋愛小説ですが、人間の醜い部分も描写していこうと考えています。見所は苦しみを乗り越えた人間の強さと、そうでない者の心のありかたです。

よかったら皆さん見てくださいね!

 「また、この夢か・・・。」

木村チヒロが眠りについて、夢の中で発した言葉である。


夢というのは不思議で、同じ夢を何回も見ていると夢の中で意識を持つことが可能であることが知られている。


チヒロの夢の内容は、いつも決まっている。いや、夢ではなく過去に起こった出来事を頭の中の引き出しが閉まらないまま垂れ流しにしているだけなのだろうか。


場所ー新井小学校6年1組の教室、時間ー給食の時間


夢の中のチヒロ(夢を見ている側)はいつも必ず教室の後ろのランドセル入れの左から3列目、上から1段目に顔だけ入って、第三者的立場から夢の中を傍観している。いや、夢の中の過去の少女時代の自分に向き合っているという表現が良いのだろうか。


「木村が食器持ってよそった御飯なんて、食べられへんわー」

クラスメイトの杉本が、まだ声変わりの無いかん高い声で言った。


「あたしと木村さんは給食当番なんやからしょうがないやろー。いらんのやったら食べんで

ええやんか。」

横で、くじらの肉をよそっていた浜谷がかばう様に発言した。


「ああそうか、じゃあいらんわー。汚くて食えるかー。ほんま最悪やわー」

「お前、給食当番なんかすんなよ。汚いねんから」


少女のチヒロはその発言に対して、下を向くしかなかった。肩は震えている。


・・・といつもここで夢が終わる。


目が覚めた。平日の夕方。いつも通りだ。眠りにつくのは大体朝方8時くらい。

起きるとまず行うのが、朝刊に目を通すことだ。仕事上必要なのである。

取っている新聞は日経だ。


インスタントコーヒーにお湯を入れ、ゼリー上の固形物を食べながら経済面から読んでいく。

(ガソリンまた高くなんのかー。G8ってなんで韓国とか中国は入らないんだろうー・・・)

そんなことを考えながら、朝食(夕食?)を20分で胃に流し込み、身支度を始めた。


身支度は大体、1時間はかかる。仕事上仕様がないのだ。むしろ同僚に比べると少ないほうだと自分では思っている。


「よし、行くかー。」

ミュールを履いて、玄関を出るときにはいつも左脚から出る。ゲンを担いでいるらしい。


以前、右足から出たとき引ったくりに遭った。なので、より意識するようになった。



仕事場は、タクシーで向かう。空いていたら時間にして15分。

電車で行くことはマズ無い。


「おはようございまーす。今日も宜しくおねがいしまーーーす。」

仕事場の玄関に入るなり、蝶ネクタイにタキシード、身長165cm、丸坊主の使用人らしき

男が挨拶する。

「あぁ、おはょぅ、早いね」チヒロはまだ眠気がとれていない様だ。

蝶ネクタイの男がペコリと愛想いい顔で一礼する。

それを横目で見たチヒロは奥の部屋に入っていった。


ーPM:7:30ー

新宿歌舞伎町No.1キャバクラ「BECS」が開店された。

扉の前には、チヒロの写真が飾られ上にNo.3の文字がある。

そう、チヒロはBECSのNo.3キャバ嬢である。








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