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アリサの異世界スパイ大作戦  作者: アーサー・リュウ
異世界より愛を込めて
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異世界より愛を込めて-1 囚われのスパイ


「こちら、ダニエル。目的のタンカーに潜入できた」


ダニエルはそう言って土砂降りの雨の中、運河を航行しているタンカーへ橋から飛び降りて潜入を試みていた。

少し高さがあって、少しばかり足が痛いと感じたが任務のは支障がないようには感じた。


無線の電波は問題ないようで、すぐにケイから返答がやってきた。


『通信は良好だ。残り30分以内で...交信可能地域を抜ける。それまでに用事を済ませて戻ってきてくれーーー

回収ポイントに彼女達を待たせてる』


「了解だ。ところでどうみても民間のタンカーにしか見えないけど....本当にディン国海軍の一部反乱因子が東側への兵器密輸で使ってるのか?」


『情報が確かならな。それを確かめるミッションだ』


ケイのその通信を聞いてダニエルはため息を吐き近くの物陰に身を隠して船の様子を伺った。


船員の姿は確認できず、かがげられている旗や船の種類を見るにどうみてもディン国藉の海運会社のタンカーにし感じられなかった。


ただ、潜入前にみた資料ではこのタンカーを所有している海運会社の社長は元ディン国海軍提督で、海軍との繋がりは強いようには感じられた。

その提督は少佐時代に情報局にいた時に反乱因子とされたグループとの接触はしたそうがそれっきり。


船員のリスト上でも、特に問題はなく

資料上の見た目は聞いた感じだと、東側との接触点は見つからなかった。


ダニエルはそのことを思い浮かべながら、注意深く周りを見ながらーー船室への侵入を試みた瞬間だった。


耳に聞き覚えのないエンジン音が聞こえて....

また身を隠してその正体を探ることにしたーーー


高速ボートで乗り付けて、タンカーに乗り込んできた一団は統制が取れておりプロだというのは一瞬で分かった。


しかし、武器や腕についていた認識章を見てダニエルは驚きケイに無線を送った。


「どうやら、探りに来てるのはRNIS6以外もいるみたいだーーあれは...おかしい、なんでウェストブロックの陸軍の秘密コマンド部隊が来るんだ?」


『おかしい....この作戦は海軍諜報局のみで展開してるはずだーーそんな情報はなかったが』


ケイも驚いた声をしていたのを感じ取れた。


ダニエルはバレないように身を潜めて息を整えながら、彼らの様子をみて、兵士達は声も音も出さずに船室へと侵入して行くのが分かった。


『情報が変だ。今、陸軍から陸軍の秘密コマンドは別の場所で作戦を展開していると聞いたーーー奴らは何者だ?』


ケイはどこか狼狽得ているような声をしていたので、ダニエルはこう言った。


「ケイ。現場のことは任せてくれーーー用心する」


『こちらーーでーし』


ケイからの返信はノイズが入り込んで明確に聞き取りづらい感じになっていたがどうやら、通じてはいたようだった。


その後、何度か無線を送ってみたが通信が途絶えたのは確定だったーー


予定よりも早く交信可能エリアを離れたのかそれとも...乗り込んできた兵士達の影響なのかはわからなかったが、何か嫌な予感をダニエルは感じていた。


船室に兵士全員は入り込んだのを確認してダニエルもそれに続くように船内に潜入した。


兵器が隠されているというのはタンカーの格納庫で....そこに向かうまでの道をダニエルは進んで行った。

一応、この船の機関士の情報を得ていたので、彼に変装して船に中を移動することにした。


船内はエンジンの駆動音が聞こえている以外では何も変わらない様子だったがーーー

その音に紛れて消音器をつけた銃声が聞こえてきていた。


その音が聞こえた場所は船員の休憩室のようで、さっきの兵士によって射殺されたであろう二人の船員が倒れていたのをダニエルは確認した。


「おかしい....殺すこともまですることはないだろーー何か別の情報でもあったのか?」


そう思って、船員を隈なくみてみると、手にはウェストブロックの軍用の拳銃が握られていて。

懐からウェストブロックの工作員の身分証が入ってるのを見つけた。


「対外情報局...おかしい。変だ」


ダニエルは首を傾げて、さらに謎が多くなったことに困惑したが...

この船が何かしらややこしい事に関わっているのだけは感じ取れたーーー


そう考えて部屋を出て廊下に差し掛かった瞬間だった....

ばっと、さっきの兵士達と同じ装備をした一段が角で鉢合わせしてしまった。


ダニエルは咄嗟に身を隠したが、兵士の一人は気がついてたようで銃をこちらに向けて連射していたーーー


明らかに狙ってきてるのがわかり、ダニエルは臨戦体制を整え懐から拳銃を取り出した瞬間だったーーー


喉元にナイフを突きつけられたのに気がつき拳銃を地面に落とした。


「またあったな、ダニエル」


そう聞き覚えのある声が聞こえてダニエルはこう返事をした。


「そうだな。僕と最後に会ったのは最近だったかな?まさか、死人に会うなんてなー。ロビン」


「そうだな....つい最近だったな。寒かったぜ雪山に置いていかれたのさーーー」


「あれは事故だ。極秘任務のために置いていったのは悪かったが...生きてたのは幸いだ」


ダニエルはそう言って、以前コンビを組んでスパイ活動をしていたロビンと会話をしてみる事にしたがそういうこともできないようだった。


「アールグレイ大尉。船員は全員始末しろとの命令です。この男は?」


会話の中に兵士の一人が入ってきた。

ロビンはその兵士に対してこう返した。


「この男は俺の元同業のウェストの海軍諜報員だ。船員じゃない....西側の犬が紛れてるってことは、東の奴らも嗅ぎつけてるかもな.....何かに利用できるはずだ。捕まえたことを将軍に伝えておけ」


「了解です大尉。我々はブツの回収へ向かいます」


兵士達はそう簡単に会話を終えると奥へと進んで言ったーー

それを見送ったダニエルはこうロビンに聞いた。


「なんだ?話を聞いてると、お前の今の雇い主は誰なんだ?」


「ダニエル。元同僚ってよしみで殺さないでおくが...その詮索はよしてくれないか?

俺たちはディン海軍から流出しようとしている兵器の奪還に来てるだけだ」


それを聞いたダニエルはため息をついてこう言った。


「そうはどうみても見えないけどな....該当国の民間人を抹殺してウェストブロックのスパイをこうやって捕まえてるしな」


「そう思うならそうであると考えてくれーー細かい詮索はやめた方がいいぞーーとりあえず、お前にはアジトに来てもらう悪いが寝ててもらうか」


「クロロホルンは好きじゃないんだ。別で頼むよ」


「なんだ、それなら問題ないーーーそんな贅沢品はないからな」


ロビンはそういうと襟と袖を使って首を絞めてきた。

ダニエルは抵抗しようと試みようとしたが...格闘技術は一枚上手のロビンには抵抗できず、そのまま首の頸動脈締め上げられて意識を失った。


ーーーー


「通信が途絶えたな....」


ケイはそう言いながら、海軍情報局の通信室のモニターを眺めていた。


「おかしいな...まだあの海域なら交信は可能なはずなのにーーー」


「課長。何者かにそのエリアの電波塔が占拠されたという連絡がありました。現在、その一団と地元警察が戦闘しているとのことです」


そう通信手がいうと、ケイの近くの電話機がなったのでケイはその電話をとった。

相手は陸軍省の特殊部隊を管轄する部署のトップからだったーー


ダニエルは先ほどダニエルから陸軍のコマンド部隊らしき部隊がいたと聞いて陸軍省に問い合わせの連絡をした際の折り返しだった。


『陸軍のどの部隊もその地域では展開をしていない』


ケイはため息をついて、その報告を聞いて電話を切って。

ミレーヌの電話に電話を掛け始めた。


『ユニバーサル商事です。現在社長は不在で秘書のマルソーが承ります』


「ミレーヌ。緊急事態だーーーダニエルからの交信が途絶えた、至急回収に向かってくれ」


『了解』


そうミレーヌは一言だけ言って電話を切ったーー


「東側の奴らなのか?それにしては、あまりにも大胆すぎるんだが....」

アリサ「新章が始まりましたっ!」


エリザ「そうね。新章始まったけど......私達は?」


ミレーヌ「あれ、あなた達は再教育じゃなかったけ?」


アリサ「そうでしたね!すごいスパイの教育を受けられるんですね!(ワクワク)」


ミレーヌ「え、あーうん...そうみたいね...」


アリサ「でも、行き先がジャングルパークって名前なんですね...どんな場所なんでしょう」


エリザ「え、ジャングルパークって海兵隊の演習場じゃ...」


アリサ「え、演習場!?」


ミレーヌ「みたいね...スパイで演習場って?とりあえず、次回のお楽しみね」


エリザ「なんか...嫌な気がするわ。次回、再教育と束の間の休日。乞うご期待ですわ」

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