黄金のハートを持つ紳士-4 武器の行方
エリザは気がつくとすっかり朝になっていて、キングサイズのベッドで寝ていたことに気がついたーーー
「おはよう寝坊助さん」
そう男性の声が聞こえて、ハッとした。
そう昨晩、ブルース・ブライアントと飲み直しで部屋の連れてこられてーーー
待ってるように言われて、ちょっと自分の魅力が足らなくて放って置かれたみたいな事を感じて近くにあったジュースを飲んで気がついたら寝ていたという話だった。
「昨日は待たせてすまなかった。これを飲むと落ち着くよ」
エリザはだいぶやからした失敗に恥ずかしくなっていた。ブルースはそんなエリザの表情は気にすることなくコップを手渡してきた。
「そう言えば、話をしようと思ったんだがーーー時間が惜しい....簡潔に教えてくれないか....何が目的か?」
ブルースはそういうとベッドの横にあるソファーに腰掛けて、肘掛けに腕を立てて頬杖をついてエリザの方を見つめた。
エリザはどこまでを話していいかを戸惑ったが、組織は名乗らずに彼の目的とすることに合致する情報を引き出すことにした。
「あなたが知ってる今この街で力をつけてる新しいマフィアのゴシップが欲しいのーーー
教えてくれたら、オクトに関する情報を渡すわ」
ブルースはそれを聞いてニコッと笑みを浮かべてこう言ったーーー
「キミもオクトは知ってる口の人間か....その情報元はどこのやつだ?場合によってはその取引には乗ろうーーー」
ブルースは笑みこそは浮かべていたが、その瞳からは恐ろしいぐらいの何かが溢れているのをエリザは感じて身震いをした。
「それは....」
口をつぐんだ時、ブルースはソファーから立ち上がってこう言った。
「ふーん。なるほどなーー
度胸は座ってるみたいだな....情報がどうであれ、気に入った。
情報は教えてやるが、代わりに婚約者役として今夜のイーストブロック高官との食事会に少し付き合ってくれないか?」
突然の申し出にエリザは戸惑ったが、もしかするとまだ交渉の余地があると感じて頷いてこう言った。
「構いませんわ」
「交渉成立だなーーー俺は今から用事があるから出る。
この部屋の鍵は渡しておく、夜の19時にこの部屋に来てくれ」
ブルースはそういうとエリザに鍵を手渡して部屋を出て行ったーーーー
扉の前に立って思い出したかのようにエリザの方に振り返ってこう言った。
「そうだ。この部屋は好きに使っていいーーーキミも今日は仕事だろう。そろそろ準備した方がいいかもよ」
ブルースはそういう時、手を挙げて部屋を後にして行った。
エリザは時計を見て出勤時間まではまだ余裕があるのに気がつき準備を始めた。
それと同時にアリサからの通信が入ってきた。
『大丈夫ですか?エリザ!』
「大丈夫よ....とりあえず、今後には繋がりそうになったわ。今日の夜に彼、イーストブロックの高官とのアポがあるらしいだけどどんな人か情報があるかしら?」
エリザはそう寝落ちしたことは伏せたままで、アリサに任務の内容を答えると通信腰にアリサの笑いを堪えているのを感じられた。
『エリザ寝落ちしちゃってたのにーーーすごいわね...くすっ』
「もぉーそれに着いては何も言わないでほしいわ....」
エリザはそうため息を着いてアリサの言葉に返事を返した。
そして、せっかくなので、出かける準備と部屋に何かないかを探してみることにした。
特段、目ぼしいものは見当たらなかったがこの部屋がいかにお金がかかっているのかみて取れたーーー
エリザは特に情報としては当たりがないのを確認すると今日の仕事のために準備をし始めた。
ーーーー
その日の夜になって、エリザはまたホテルの部屋に戻ってブルースを待っているとホテルの部屋にブルースの運転手を勤める男性が迎えにやってきた。
エリザはブルースから借りたドレスに身を包みメイクを済ませて、運転手に案内されるまま駐車場に降りた。
車に乗り込むとブルースが座っていて手帳を開いて覗いていた。
その手帳にある女性の写真があったーー
その写真の人物はニコッと笑みを浮かべてブルースと写っているものだった。
その人物に関しての情報をエリザは思い出した。
彼女は...
「殺した女の写真をなぜ持ってるのかって顔してるな?」
ブルースはそうエリザの心を見透かしてたのかそう言ってきたのでエリザはうんと頷いて答えるとブルースは手帳を閉じてこう言った。
「色仕掛けで接近しようと思ってたんだろうが、俺は彼女以外はもう愛さないと決めてるーーー
彼女を確かに俺は殺した....だが、好きで殺したわけじゃない。
これ以上は、秘密だ。
もしくは君らはすでに知ってると思うけどな....」
エリザはそれを聞くと、ブルースの手をどこか誘うように両手で触れてこう言った。
「そうなのね....でも、落として見せようかしら」
そう言って軽く微笑んでエリザはいうとブルースは笑ってこう言った。
「こういいよって来られるのは久々だなーーーーそろそろいい時間だな出してくれ」
ブルースはそう運転手に車の出発をいうと運転手は、無言で車を走らせ始めた。
ブルースの持っていた写真の女性の前はアリシア。
彼の元婚約者でなんらかの事故で亡くなっており、ブルースはその過失致死の責任を問われてつい最近まで収監されていた。
しかし、事件は有耶無耶になって釈放された。
その事件には色々な情報が錯綜しているが、オクトが何かしら関わっているという情報があるのをエリザは聞いていた。
聞けるかはわからなかったが、一度彼からの情報を聞けるか試しに話を始めた。
「彼女とオクトとの関係は?」
エリザがそう言った瞬間、ブルースは目の色を変えて一瞬の間でカミソリを取り出してエリザの喉元に当ててどこか怒りに満ちた顔でこう言ってきた。
「お前、それについて知ってるのか?知らないならこれ以上口を挟まないでくれないか?」
ものすごい圧迫感にエリザは呼吸が荒くなり、身動きが取れなくなっていた。
「海軍諜報部もどこまで知ってるかは知らないが....俺をあまり怒らせないでくれないか?」
エリザはそれを聞いて余計に驚いてしまったーー
それは完全に自分の身がバレている事を察したからだった。
身の危険を感じたが、ブルースはカミソリを懐に納めて深呼吸をしてこう言った。
「すまない。許してくれ...つい彼女の話題になるとこうなるんだーーー
キミが軍の諜報部にいるのは予想だ。
イーストブロックの奴らから俺は色々と聞かれてるからその牽制もこめて、今回はついてきて欲しい」
ブルースはそういうとエリザにハンカチを渡してきた。
エリザはそれでさっき出ていた汗を拭った。
そして、深呼吸をして心を落ち着かせてこう本題を彼に伝えた。
「知られてるなら....お話しするわ。
私たちはこの街に潜伏しているオクトに関わる人を調べながら行方不明になってるイーストブロックの武器を探してるの。協力できないかしら?」
ブルースはそれを聞いて考えたそぶりを見せた後、こう言ったーーー
「そうだなーーー条件次第だ。この話はイーストの奴らも交えて話すとしよう」
ブルースがそういうと車は停車して、ブルースは車から降りてエリザをエスコートした。
高級なレストランが目に入り周りにはセレブを見ようと集まっている野次馬が少し見受けられた。
「ブライアントさんの新しい愛人かな?すげー美人」
などとそう噂話をしている人々の声が聞こえていた。
ブルースはこの街ではちょっとした有名人で知る人は知っている人物だ。
その紳士的な見た目からファンのような人も意外と多かったりと庶民に話題を提供するような俳優などと同じようなことにもなっている。
周りの人からは恐ろしいギャングのボスというよりはセレブを見ているような羨望の眼差しを向けられていることのエリザは不思議に感じていた。
「このプラム街だと俺は、ヒーローみたいな扱いなんだーーー」
ブルースはそうどこか自慢げそうにエリザに言ってレストランの中へ入っていった。
用意された個室のVIP席にはすでにお約束のゲストが座っていた。
エリザはイーストブロック軍服姿の二人の姿を見てあっとした。
そう彼ら二人はエリザが以前、任務で出会ったこともある、イーストブロックのスパイであるエレナとタカノだった。
互いに驚きを隠せないなか、ブルースはどこか関心深そうな顔をして席に座りこう言った。
「さて、互いに知り合いってことは...ラッキーな交渉の場ができたってことだな。食事でもしながらオクトと武器のあり方についてお話と行こうじゃないかーー
タカノ「まさか、ウエストのスパイと接触するなんてな....」
エレナ「まさかねーーもしかして、何か交渉がされるのかしら」
タカノ「さぁな。でも、ブルース・ブライアントは裏社会ではかなりやりての奴って聞いてる。もしかすると取引できる材料を持っているのかもしれないーーー」
エレナ「あら、なんかわかった感じでいうじゃない。あ、そうか住んでる異世界だとそういうやり取りをやってたのね」
タカノ「まぁーな。交渉ごとはコネクションの引き合わせは嫁の方が強いよ。それを見習って住んでる世界で頑張って覚えたという具合だ」
エレナ「さて、どんな交渉を仕掛けてくるのかしら....次回、ブルースの手札。
私たちの任務は武器の回収だからね。忘れないでよ」
タカノ「はいはい」




