黄金のハートを持つ紳士-3 ブルースの過去
ブルースはさっきバーで出会った大人びた若い女性をエスコートして、自分が時折生活をしているホテルの一室に連れ込みそこで彼女の目的を聞くことにしていたーーー
彼女は間違いなくシュナイダー社の令嬢な気はしている。
彼女が否定しようがどこかそれは感じ取れるものがあったーーー
そんなことはさておきで、ふとあることを思い出してエリザを部屋に少し置きっぱなしにしないと行けないのを予定を確認して思い出した。
彼女を部屋に置いて、しばしの間だけケータリング部屋にくる食事をして待っているように伝えた。
「彼女が何者かはわからないが....話を聞いてみるのは一つだろうな」
ブルースはそう呟き、会議が行われる宴会場へと向かった。
エレベーターに乗りまさかの過去の知り合いと出会う事になった。
タキシードに身をつつ彼は....
「ダニエル・ブロスナンか。久々だな」
「ああ。ブルース久方ぶりだなーーーうちのユニバーサル社の貿易事業を少しこの町で始めようと思って...今回は挨拶で来てるんだよろしく頼む」
ブルースはそれを聞いて、旧友のダニエルとしばしエレベーターの中で会話をした。
彼とはほとんど連絡はとっていないが、パブリックスクール時代にともにやんちゃやイタズラをする仲だった。
自分が戦争にいくために陸軍に志願した時に唯一止めてくれた親友でもあったーーー
ふとそのことを思い出してため息をついてこう言った。
「お前の言った通りだったよ。行かなきゃよかったーー国のために戦うなんて行き往々と行って色々と言われ今はこのザマだ.....」
ーーーー
十数年前の話、ブルースがまだ10代の頃にそれは起こった。
パブリックスクールを卒業して、大学へ進学する前にウエストブロックとイーストブロックの国同士で戦争が起こった。
大義名分を掲げ、イーストブロックサイドに飲み込まれようとしている国を救うため遠い南国へウエストブロックの連合軍は派兵をした。
すぐに3ヶ月で反政府勢力を倒して戦争は終わって、平和がくると思ってたがそれは少し違っていたーーー
ブルースは歩兵として従軍してその3ヶ月で終わると言われた戦場を3年間経験をした。
何も見えない夜のジャングルを歩き、いつ襲われるかわからず寝れない日々を過ごして、音がすれば獣なのか敵なのかわからない何を撃ち続けた。
そして、
敵勢力下にある村に入って、突然仲間が殺されて、武器を持った民兵が出て来たのでそれを掃討した。
そして、そこの村人を全員殺害したーーー
国からもらったライフルで13人を撃ち。
弾が切れてナイフで6人の武器を持った民兵を切り裂いた。
殺した民兵の中にはまだ幼い子供いたのをブルースははっきりと覚えていた。
国のため仲間のためと言い聞かせて任務を遂行した。
それで地獄が終わると思ったら....
しかし、戦争は続いた。
その後も同じようにブルースは任務をこなして、国のためにと敵を殺し続けーーーー
何度も勲章やメダルを授与されてたが...ブルースは腑に落ちなかった。
そして、戦況が悪化して国内からも撤退の世論が強くなり逃げるようにウエストブロック連合は撤退することになったーー
あの戦争は無駄だったと世間では言われるようになったーーー
そして、東西陣営で互いに平和交渉を行い....偽りの平和の時代が始まった。
英雄として迎え入れると思ってたら、それとは違う声がブルースに飛んできていたーーー
『人殺し』そう言われたのをはっきりと記憶に残っていたーーー
ブルースの心に大きな闇を抱えた思い出だった。
ーーーー
「国のために尽くしたのをふと思い出しよーーーでもまさか、君が会社をやってたなんてな」
ブルースはそう学生時代の頃のダニエルを思い出してそう言った。あまり、学者か作家肌と言ったところで商売っ気のあるような人には感じなかったからだ。
ダニエルは首を傾げてこう言った。
「いや。まさかブルースの方こそまさか、この街では知らない人はいない人物になるとは思ってなかったよ。
学生時代に行ってた通りなら将校にでもなって参謀本部にでもいそうだと思ってたけどなーーー」
「忠誠心や愛国心では金にならないし、誰も幸せにならなかったからケツから出てトイレに流してしまったよ」
ブルースはそう笑ってダニエルに返事を返した。
どうやら、ダニエルはブルースがこの街を裏で牛耳っているギャングスタである事はばれているように感じた。
「ルールを守って商売をやるなら好きにすれば良いさ」
ブルースはそういうとエレベーターがと止まったので先に降りて行った。
今回の会合は表向きはビッグアップル商工会議所の定例会だがーー
緊急でこの日に変えたのだった。
その理由は.....
ブルースの傘下にいる手下の一人がオクトと繋がっているという事実を聞いたからだった。
それを確認するために商工会議所の定例会の裏でギャングの幹部集会を行う事にしたーーー
商工会議所の定例会では会長が挨拶を済ませて、レセプションパーティが行われていた。
その中で要人だけが集められたパーティが別室で行われたーーー
「ちょこまかと、軍の情報部に対外諜報部、警察にイーストのスパイも来ているようだな」
ブルースはそう呟くように言って別室の席用意された席に座り用意された食事に手を出した。
ブルースが席に座った瞬間にピリッと空気か変わったのを隠れて様子をみていたアリサとミレーヌは感じていた。
傘下の部下はざっと10人とそれに月そう付き人が合計20人と言ったところだ。
ブルースは全員が席に座ったのを確認して話を始めた。
「さて諸君。本題に入ろうーーちょこまかと嗅ぎ回ってる国家の犬どもにも聞こえるように言いたいから、好きに噂は流してくれ。
俺たちはこのビッグアップルで商売をしてる、それはより良い生活をするためだ。
その手段として、ギャング組織になってる。
国家としてはよろしくない事を俺たちはしてる。だから、お役人どもともある一定は仲良くやりたいーー
俺は抗争は望まない、なぜならジャングルで十分戦ってきたからだ」
席を囲む傘下の絵ギャング達はブルースの言葉を聞いてそうだそうだと同意していた。
ブルースのそばにいるギャング達の多くは、復員兵でともにジャングルで国のために戦った人が多いという情報はRNIS6は掴んでいた。
ブルースは一気に暗い顔になってこう言った。
「だが...こんな俺でも許せない奴らがいるーーー
そいつらは、俺から稼ぎ柱を奪い、その金と技術で戦争をしたいと思ってるらしいーーーまだ、許せる話だ....それならいい」
ブルースはそういうと席を立って....
近くにいたギャングが持っていた棍棒を手に取って振りながら席に座る傘下のギャング達の周りを歩き始めた。
「諸君らと一緒に俺はジャングルを突き進みーーー
敵を殺しまくった.....
殺しは好きじゃない。できる事なら避けたいところだ。
任務だったからやってた。
でも、奴らはこの俺自身にアリシアを殺させるように仕向けてきた。
その時の気持ちが誰に分かるだろうか?」
ブルースのその言葉を聞いて、全体の空気が急に重くなったのをアリサは感じた。
近く聞いたミレーヌはハッとした顔をしてアリサを外の会場へ押し出すように仕向けたーーー
アリサは何かがわからなかったがそれに従ってパーティ会場へと戻った。
アリサを追い出したミレーヌは、静かな怒りと殺意を沸き立たせながらも淡々と喋り続けるブルースをみた。
「関係ない方々は一度席を外してくれないか?」
ブルースのその声を聞いて付き人の人々がゾロゾロとでて行くのが目に入った。
ミレーヌは残ろうとしたが、押し出されるように会場の外に出る事になったーーー
周りの付き人の達の顔色が真っ青になって、恐怖の色が滲み出ていた。
ミレーヌは今からブルースがする事について噂を聞いていたが、彼がギャングとして恐れられる一面をだろうというのは感じ取れたーーー
少ししてから、部屋に戻っていいという声がかかって部屋に戻る事になったーー
部屋の中ではぐったりと血まみれになったギャングの一人が引きずりながら別室に運び出されるのを一瞬だけ見ることができた。
ブルースの高級そうな服は返り血で赤く染まっているのをミレーヌは遠くからだったが確認できた。
そして、席に座る参加のギャング達は震え上がるような表情をしてブルースを見つめていた。
ブルースは淡々とした態度で服装を整えてこう言ったーーー
「俺の街にいるオクトの野郎は、全員ーー消してやる」
アリサ「え、何があったんですか?」
ミレーヌ「あなたはあまり見ない方がいいかもよ...それよりも、エリザはから通信はあった?」
アリサ「うーん...彼女、酔っ払って寝たっちゃみたいです」
ミレーヌ「なんだよそれ....とにかく、これ以上の接触はまずいから一旦引くとしよう」
アリサ「あ、はいそうですね...せっかくこのパーティで出てた料理が美味しかったのに...名残惜しいです」
ミレーヌ「マイペースね...ま、海軍諜報部がセーフハウスにしてる部屋が近いからそこを使うといいわ」
アリサ「ミレーヌさんは?」
ミレーヌ「私はここで泊まりよ。引き続きエリザと協力してブルースの周辺を調べて....彼まさか、オクト敵対してたなんてねーーー」
アリサ「わかりましたミレーヌさん。エリザの通信の周波数は「ねこねここねこねチョココロネ」です!」
ミレーヌ「あ、今日の暗号担当アリサだったわね....えっとーー後で照合しておくわ。それより告知!」
アリサ「あ、はい!次回、武器の行方ーーそう言えば...イーストブロックから流れた武器の詳細ってまだ掴んでないんですもんね」
ミレーヌ「そうよ。でも、ブルースの周辺で何かがあるはず...頼んだわよ」
アリサ「了解です!」




