異世界より愛を込めて-6 囚われのお姫様は趣味じゃない
アリサとエリザは、キリシマを残して施設内を進んでいった。
だんだんと軍事基地らしい雰囲気になり始めて、扉も厳重な感じになっていて騒ぎを聞きつけた敵の兵士たちが慌ただしく右往左往しているのが見てとれた。
物陰に隠れながら、アリサとエリザは持ってきた地図を見ながら確認をしていたーーー
「敵の装備は....東側の最新鋭よね。カービンライフルに無線通信機を全員が持っていてーーー」
エリザはそう言って確認をしていると、アリサはあることに気がついてこう慌てた感じで言ったーーー
「エリザ。隠れましょーーー敵が通り過ぎていくわ」
「オッケー」
エリザはそう答えると、近くにあった物陰に身を隠してアリサも同じく物陰に隠れた。
1人の東側の装備をした兵士が慌てた様子で通り過ぎるのが目に見た。
「たく、なんで一人なんだよ...銃声が聞こえたからって行かされる身にもなってくれよーーー
あのスパイがどれだけ凄腕かは知らないけどさ...見張に最低3人ってなんだ」
そう独り言を言いながら、ため息をつくのを見てエリザはあることを思いつきアリサにアイコンタクトをとった。
アリサは首を傾げてなのをするのか分からなかったが、エリザがポケットから香水を入れているアトマイザーを取り出したのを見て理解ができた。
エリザは少しわざとらしい感じであったが転んで物陰から飛び出した。
「きゃっ....」
エリザがそう言って転んだ音を聞いて兵士は物凄い速さで振り返って銃を構えた。
「誰だ!っておい。まだ民間人がいたのかよーーー」
「あ、あのぉっ」
エリザはどこか怖がる様子を見せた。兵士はそんな彼女を見てどこか、下心がありそうな目をしながらエリザの全身を確かめるように見てからこう言った。
「立て!お前を拘束する」
「すいません...足を挫いたみたいで立てませんわ」
エリザはそう言ってどこか、色っぽいを声を出して痛がる様子を見せた。
兵士は舌打ちをしながらもどこか、嬉しそうな表情を見せたのをアリサは見逃さなかったーー
どうやら、エリザの色時掛けは成功していたようだった。
あとはどこのタイミング飛び出して、気絶させるかを考えたアリサだったが...
エリザは微笑んで手に隠し持っていたアトマイザーを見て、アリアは飛び出すことはやめていざという時だけに備えてということで電撃警棒の準備をしたーー
兵士はゆっくりと近づいて銃を下ろして手をエリザの方へ差し伸ばしたその時だった。
エリザは素早く跳ね上がるように立ち上がって、アトマイザーに入ったパフュームに混合させた痺れ薬と兵士に吹きかけた。
「おい!何をするっ!」
兵士は咄嗟に吹きかけられた液体に驚いて、バランスを崩して転び気を失った。
「やるじゃない!エリザ。麻痺薬仕込んでるなんて...うーんスパイっぽい」
アリサは感心してそう言って、兵士の方に近づき持っていた紐で手を縛って動けないようにさせた。
それを見てエリザは服についた埃を払っててて臭そうに言った。
「もちろんですわよ。スパイ教育はちゃんと受けてきましたもの...でもまさか、色仕掛けが本当に効くなんて驚きですわ....
とにかく!これで、お召し物をお借りして奥に潜入しますわよ」
エリザはそういうと、兵士が気絶しているのを確認してアリサがつけた縄を解いて兵士の上着を脱がせ始めた。
「アリサなら重ね着でどうにか着れそうですわね」
「え!私が着るんですか!?」
「殿方のはあまり着たくありませんわ」
「えぇぇ」
アリサはそう言ってどこか反抗しようとしたが、生粋のお堅いお嬢様は折れないようで渋々服を重ね着で着ることにした。
服を重ね着で終えたアリサはエリザと共に気絶している兵士を物陰に隠してから、紐を取り出してこう言った。
「じゃあ、一応。エリザが捕まったって体でいきましょう。
一応、解きやすいようにして手に縄を結びますね...」
アリサはそう言ってエリザの手を縛って動き出すことにした。
「いいですわね。やりましょう」
どこか目をキラキラさせてエリザは嬉しそうに両手を出してきたので、アリサは戸惑いながら解きやすいようにエリザの手を縛った。
「なんだか、緩いですわ」
「まさか...そっちの趣味ですか?」
それを聞いた、エリザは急に恥ずかしそうに顔を赤くして首を振ってこう言った。
「そ、そんなことありませんわっ!好きな殿方に縛られてとかなんて...」
「なんでそこまでいう...」
アリサはそうツッコミを入れたが、これ以上深くこんな話をしている場合ではないことを思い出してアリサは歩き出したーー
「やっぱり緩いですわ....」
エリザはそうどこか不満げに言っていたが、どこか楽しそうにしながらアリサの後をついて行った。
歩いていると他の兵士に出会って一瞬ドキッとしたが、親切にも彼はあることを教えてくれた。
「この先に捕まえた人達をまとめてるからそこに連れていけ」
という内容だった、どうやらアリサの変装はバレていないようですんなりと何もないかのように通り過ぎ去って行った。
アリサとエリザはその言葉を頼りにある部屋の前に到着した。
すると部屋の奥でゴフやアンなど、何かで誰かが殴られる音が聞こえてきてアリサとエリザは中の様子を伺うことにした。
「もしかして...捕まった人がやられているのかしら」
そうエリザは呟いたのを聞いてアリサは首を傾げたーー
ちくしょー、こんにゃろという声が複数人聞こえながらある声を聞いてアリサは確信した。
「僕はこう見えて、超一流のスパイだからね。二人ぐらいなら相手にならないんだよ」
「あぁぁ!社長だ!」
アリサはそういうと扉を開けようとしたが、びくともしないことに気がついた。
エリザがポケットからピッキングツールを取り出したが...
扉の向こうで敵を倒しおえたであろう、ダニエルがこう言ってきた。
「なんだ。助けに来てくれたのか...ありがとうお嬢さんたち。すまないが、この部屋の扉はどうも僕ですら開かないようになってるんだ。
鍵はロビン・コーネリウスが持っている。やれそうかい?」
そう落ち着いた声を聞いてエリザがこう答えた。
「え、でもダニエルさん...」
「僕はこの部屋に仕掛けられている仕掛け爆弾の解除に専念しないといけない。すまないが、僕の救出をするならロビンから鍵を奪ってきて欲しい...」
それを聞いた、エリザはピッキングツールを戻してアリサの肩をポンと叩いてこう言った。
「分かりましたわ。私が必ず鍵を持ってきますわ。アリサいきますわよ」
「ええ。もちろんです」
アリサはそう返事を返すとダニエルがこう言ってきた。
「奴はこの棟の上に向かった。ある兵器を起動させるために何かをするらしいい....奴を止めてくれ。
僕は囚われの姫役はあまり好まないが....今回はそうする他ないようだ」
それを聞いたエリザはどこか軽く笑ってこう小さな声で言った。
「心配しなくても大丈夫だよーーーってあなたは囚われの姫に言ってましたわねーー」
エリザはそういうと手に巻かれていたロープを解いてアリサにこう言った。
「行きますわよ。爆弾があるのなら、急いだ方がいいですわ」
「そうですね。急ぎましょ」
アリサがそういうと扉の向こうから何かゴソゴソ音が聞こえた後、イヤリングの通信機で音声が入り込んできた。
『こちら、ダニエルだ。アリサとエリザと再会できた。ただ、一つまずいことがわかった。
ロビンがとびっきりの爆弾をこの施設一帯に仕掛けたようだ』
それが流れた後、ケイから通信が入った。
『それはまずいな....ロビンはお前をと同じ超一流の爆破魔だったなーーー解除は出来なさそうなのか?
ミレーヌは今、海軍特殊部隊と共に武装勢力と戦闘中で応援には送れない。それに、ダニエルお前もそこから出られないんだろ?』
『ええ。ですが、まだとびっきりのエージェントが残ってたから頼むことにしたよ』
『わかった。アリサ、エリザ。ロビンを探しだして爆弾の解除とダニエルの救助を頼む』
「「了解です」」
アリサとエリザはそう答えると、廊下の奥から足音が聞こえてきて振り返った。
するとそこには眠そうな顔をしてあくびをしながら歩いてくるキリシマの姿があった。
「だいたい話は聞いた。協力するーーこう見えて、爆発物には詳しいんだ。援護する」
アリサはそれを聞いてニコッと笑みを浮かべてこう言った。
「ありがとうございます」
しかし、エリザはあまりいい顔をしていなかったーーー
アリサ「まさかの爆弾処理をするなんて思いもよらなかったです!」
エリザ「アリサ...爆弾大丈夫なの?パイロット版の物語だと導火線の長さ間違っていましたし」
アリサ「あ、あれは大丈夫!気にしないでください。黒歴史です!」
エリザ「黒歴史って....」
キリシマ「おっと、お嬢様方、次回の告知をよろしく頼むぜ」
エリザ「ええ」
アリサ「次回、裏切りのスパイ乞うご期待」
エリザ「あ!私が言いたかったのにぃーー」




