Ⅳ
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図書館を外から見ると塔なの。中に入るととても高い本棚があり、びっしり本があった。
「此処はただの本だ。秘術の本はこっちだ。」
そういい、大きな封印されたドアへと向かった。
ウィナ国長は呪文を唱えながら封印紙を剥がしていった。剥がし終わるとドアが開いた。中を見ると大きめのテーブルがあった。その上には透明なケース。
ウチ等はテーブルに向かって歩いていった。透明なケースは、結界だった。四隅に呪文が書いてある紙があった。中は分厚い本が一冊。
「この結界は秘術の記憶を持つものにしか解けない。黒霧と言ったな。解いてみろ。」
結界を指差しながら黒霧に言った。
「待てよ!黒霧は記憶がないんだ!」
ファナがウィナ国長に言った。国長は記憶がなくても解けるといった。
黒霧がおずおずと結界に手を出した。すると、勝手に結界が解けていった。
「さぁ、この本には秘術のことがある。外国語でしかも古代文で書いてあるが、読めるものはいるか?」
国長が一ページ目を開いた。
これは、漢字?じゃあ、華国の言葉?
そんなことを考えていると、黒霧が読み始めた。
『秘術とは全ての力』
ファナが全部読んでくれと黒霧に言った。黒霧は頷いて続きを読んだ。
『秘術を手に要れた者―――。これ即ち世界を滅ぼす力を手に要れた者。記憶を持つもの―――。これ即ち力を封印する者。』
つまり、黒霧は秘術を封印する者と言うことね。
『しかし、一歩間違えれば秘術を手に要れた者よりも大きな力を要することになる。ただし器が壊れなければ……。』
器……身体のこと?
黒霧が止まった。怖がっている。
「大丈夫?ウチ等は読めないの、最後まで読んでほしい。辛いと思うけどお願い。」
ウチはそう言った。黒霧は頷いて口を開いた。
『秘術を使用すると、使用者の周りに黒い霧が現れる。この霧は使用者の意思によって物に変えられる。どんなに大きいものでも―――。秘術を手に要れた者や記憶を持つものが死んでしまうと秘術は暴走し、世界を壊す――――。』