Ⅲ
「待てよ!黒霧は秘術の記憶を持つ者だ!手荒な真似をすると、また地獄を見るぞ!」
俺は言ってやった。兵士達は俺らを放し、国のトップ……ウィナ・ミカラは黒霧を放した。黒霧は何が何だか解っていないらしい。
「な、何?それは真か!ファナ・ミーチェ!」
「本当だ。」
ざわめき始め、黒霧は俺たちの元へ来た。どうしたの?と聞いてくるが佐奈が後で話すといった。
「秘術の事を話してもらいたのだけど……。」
「あぁ、話してやるさ。図書館も開放しよう。」
佐奈が言い終わる前にウィナが言った。ウィナの態度が明らかに違う。
図書館……。秘術の事が書いてある本がいっぱいある。そこに入れるのは、許可を貰ったの者のみ。それ以外の人はどんな理由でも入る事はできない。仮に入ったとしても、射殺されるだけだ。
「明日の10時に図書館で待っててくれ。」
「わかったわ。」
そういい、ウィナたちは帰ってった。
「ねぇ、秘術ってそんなに怖いものなの?」
黒霧は俺よりも身長が低い。俺の袖を掴んで聞いてきた。普通に言ったら俺が悪者みたいになってしまう……。さて、どうしたものかな。
と、佐奈が助け舟を出してくれた。
「黒霧、明日全部わかるから、それまで我慢しよう?ウチ等もそんなに知らないんだ。」
黒霧は俺から離れた。
いきなり腹がなる音がした。俺だ。時計を見ると8時になっていた。ご飯食べようかと佐奈が言い、俺と黒霧は飯を待った。しばらくして佐奈が飯を待ってきた。俺たちはそれを食い、さっさと寝た。
飯を食っているときに警戒が解除された。
朝、俺が飯を作る当番だから台所に向かった。そしたら黒霧がいた。いい匂いもしている。どうやら飯を作ってくれたみたい。黒霧はおろおろしているが俺がありがとうと言ったら落ち着いた。そして一緒にテーブルに料理を並べた。佐奈が起きてきて、飯をくった。
それから着替えて、外に出た。人がいっぱいいる。久々に外に出れるからな。
俺等は図書館に向かった。図書館の前には兵士とウィナが居た。
「さぁ、これを腕につけてくれ。外したら殺されると思え。」
許可証見たいな物を腕につけた。ウィナに案内されながら図書館に入った。