表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/71

弱者の遠吠え

 天愛比奈はあくびをしながら、薄暗い廊下を歩いていた。


 今晩は本当に大仕事だった。

 しかも加えて聞くところによると、隣の診療所では悪魔の血を引く子が産まれたらしく、優子たちが何か話し合っている。何かと慌ただしい。

 胎教を施した「味方」なら、別段気に掛ける必要もないだろう。

 比奈が考えることは常に、「殺すか殺さないか」だけだった。

 とにかく今は、さっさと自分の部屋に戻って眠りたい。


 ――ふと見ると、廊下の向こうから誰かが歩いてくる。


 自分と同じくらいの身長の、少女だった。目がいやに腫れぼったい。

 少ない電灯の下に照らされたその顔を見ても、比奈には名前が思い出せない。しかし、どこかで見覚えがある気がした。

 「霧隠れ」の効果ではない。比奈はただ単に、極端に人間に興味がないのであった。

 しかし、その少女が自分に向けた視線の鋭さに対し、若干の警戒感を持つ。

「――あんた、だれぇ? ……ていうか、何者?」


「…………別に、何者でもないです。ただの人間ですよ。」


 少女は――愛本叶多は、皮肉と矜持を込めて堂々と、そう言った。





 ――ああ、ただの人間か。じゃあいいや。


 彼女は「あ、そう。」とだけ言って、そのまま叶多の脇を通り過ぎた。




                                  <了>


最後までお付き合いいただいた皆さま、本当にありがとうございました!「私の天使」遂に完結です。

感想・コメントお待ちしております!

25分にあとがきも投稿しますので、よろしければそちらもどうぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ