解決方法の検討
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「今刑務所にいる奴の動きは?」
「今の所変わった様子はありません。外部とコンタクトを取っていないか、面会時に怪しい動きなどを取っていないか周囲で確認していますが、そこでも動きがないと報告を受けているのですが……」
「何か怪しい所でもあるのか?」
「今までの彼の動きからして何もないというのが怪しいと申しますか」
そう言って警察官の男がプラスとして出した資料に、逮捕されている男の経歴が書かれていた。
そこには今回とは他に様々な事件を起こし、逮捕されたと書かれている。
こんな経歴の人物がよく釈放されていたものだと思っていたら、裏で金が動いていたからだと下の方まで読んで分かった。
普通じゃそう簡単に出れる経歴じゃない。
そんな奴がいた組織か。
なかなか厄介そうだ。
「なるほどな……」
不知火はそれに目を通してから弟さんに目を向けた。
「お前ならどう動く?」
「僕かい!?僕なら組織丸ごと崩すけどね」
「ほう。どうやって?」
「実はね、その組織にいる人物って何らかの事件で疑いがかかってて、うまく搔い潜って来た者たちばかりなんだ。逃げるのもアリバイを突き付けてくるのも上手いんだけど、ちょっと詰めが弱いんだよね。だから、そこを少し突いてやればみんな捕まえることができるんだよ。そうすれば組織が崩れていくってわけ」
ね、簡単でしょと言っているが、そんな簡単にいくのか。
それも明日の朝までに。
「そう言うということは弱みをお前は知っているのか?」
「勿論。そのために僕がここに来たんじゃないか!」
「そうか。お前なら今回の件、明日の朝までに解決願えるよな?」
「え?そんな最短で解決させろって言うのかい?!」
「お前ならできる」
いくら何でも無茶苦茶すぎるだろ、と思いながら聞いていれば、弟さんはうつむいてしまった。
流石に大好きな兄からとはいえ、こんな無茶な依頼断るよな。