事件の詳細1
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「えっと、話してもよろしいでしょうか?」
恐る恐る手を挙げて、以前会った警察官の人が話し始せば不知火が大きく頷いた。
「どこからお話しましょうか。彼らが話したことをお伝えしましょうか。それとも彼らの仲間の動きから話しましょうか」
「彼らの話から聞こうか」
「はい、ではそちらからお話致します」
2人がそう話している間、ずっと弟さんが俺のことを睨んできているんだが。
この視線を受けたまま話を聞き続けなくちゃいけないのか?と思っていたら、俺と弟さんの視線を遮るように不知火が立ち位置を変えた。
さりげなくこういうことのできる男って絶対にモテるな。
俺も真似したいけど、こんなナチュラルに出来る気がしない。
「まず、彼らの目的はあくまでも身代金の要求をするためでした。ですが、その他にも考えていたことがあったようで数年前に起きた暴力団組員大量殺人事件を覚えていらっしゃいますか?」
確かと2つの暴力団組員が喧嘩をしていた所に別の組合員が乱入し、そこにいた全ての暴力団組員を殺害したという事件だったか。
その事件と何の関係が。
まさか、その組合員と今回捕まっていた2人に何か関係があるのか。
「あぁ、この近辺で起きたことだったしな」
「そうですよね、大きくニュースにもされていましたし。その事件の犯人とその2人が同じ組の者でして、あわよくばその犯人の釈放も持ち出そうと考えていたそうです」
「なるほどな……。その暴力団組員を捕まえたのがお前だったりするのか?」
そこで不知火が弟さんに顔を向けると、弟さんは胸を張って答えた。
「勿論、僕さ!なかなか他の警察官たちが手を出せないような組だったからね!」
なるほど、それで新が狙われたわけだ。