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昨日 午後九時二十二分 (ファイル番号19)
まずいことになった。
すぐに行くと伝えて電話を切り、私は唇を噛んだ。
今日一日、ランドルフの行動に目を光らせているべきだった。だが実際、その必要もないと考えていたのだ。証拠は明白、後は奴が報告に来るのを待てばいいはずだった。
それが……、なぜ。
私はスーツの上からホルスターに手を当てた。そこには私の長年愛用する銃が――、苦労して掴んだ、今の地位の象徴がある。だが私はそれをホルスターから外し、代わりに安物のMー458スペシャルをセットした。こういう時のために用意してあるのだ。
とにかく、奴の思い通りにはさせない。
私は大きく深呼吸し、ドアへ向かった。




