表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バックアップの男  作者: 桜井あんじ
バックアップの男
27/137

昨日 午後九時十六分 (ファイル番号18)

 ケリーの決められた就寝時間、九時を回った。ベッドに入れて絵本を読みきかせたが、いくらも読まないうちに、ケリーはもうすやすやと寝息を立てていた。俺は起こさないようそっと本を置き、安らかに眠る彼女を眺めた。

 健康的な髪がベッド脇の仄かな明かりを反射して、艶の部分が輪のように見える。俺はいつもこれを、「天使の輪」と呼んでいた。彼女の寝顔は、まさに天使そのものだ。

 明かりを消してベッドルームを出ると、キッチンに向かう。グラス出してバーボンを注ぎ、リビングのソファに体を沈めた。

 天井を仰ぎ見ながら、頭の中で自問自答する。

 やがて俺はモバイルを取り出した。

「――ええ、そうです。俺にはもう全部分かっています。とにかく、直接会って話しましょう。人に聞かれない場所で。――ええ、かまいませんよ。じゃあお待ちしています」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ