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バックアップの男  作者: 桜井あんじ
警察局捜査官連続殺害事件捜査報告書
137/137

68

★今日 午前九時二分 (ファイル番号68)



「目が覚めたか、ランドルフ」

 遠い闇の中から響いてくる声に導かれ、俺はうっすらと瞼を開いた。

「気分はどうだ」

 ベッド脇に立っていたダンが、病人を相手にするような穏やかな声音で、また俺に声をかけた。

「ええ……。大丈夫です、ボス。あの、俺は一体……?」

「君は理性的な男だ、ランドルフ」

 ダンの唐突な言葉が俺の思考を遮った。

「変にごまかさず、単刀直入に話をした方がいいと私は考えている」

「ええ。ダン、何があったのか教えて下さい。記憶が曖昧で思い出せません。今朝出勤したところまでは覚えているのですが」

「そう。君の記憶はそこまでしかないのが当然だ。君はバックアップなのだから」

「え……!?」

「昨日朝のバックアップから復元されたのが、今ここにいる君だ」

「俺が……?」

 俺は思わず、顔の前に自分の両手を持ってきて眺めた。

「俺の、元の……、『オリジナル』は、どうなったんです?」

「死んだ。正確には、殺されたのだ。昨夜遅くダウンタウンの路上で、他殺体で発見された」

「殺された!? 一体誰に、なぜ!?」

「まだ分からない。君には……、その調査に当たって欲しい。それが、バックアップから復帰後の初任務だ」

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