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★今日 午前八時 (ファイル番号66)
――私は、しくじったのか?
歯がみをしながら、ベッドの上に体を起こす。
「急に動かないで下さい! ゆっくりと……」
「大丈夫だ」
慌てて体を支えようとした看護師を不機嫌に突っぱね、私はベッドの周りに居並ぶスタッフを見回した。
「誰か、状況報告をしろ」
仕事に戻ると看護師に告げて、ベッドから這い出した。窓から差し込む「今日」の朝日の眩しさに、思わず目を細める。
そう。もう一度、「今日」をやり直すのだ。そして今度こそ違う結末で一日を終え、「明日」へと進む。……私だけが。