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★今日 午後十時 (ファイル番号65)
ケリーの小さな手には、さっき俺がテーブルに置いた、Mー458スペシャルが握られている。
――なぜだ?
混乱する俺の耳元にその愛らしい唇を寄せ、彼女はささやいた。
――ああ、そうか。
俺は目を閉じた。信仰心などかけらも持たない俺だが、死を目前にした今、神と名のつく者に祈りたくなった。彼女のために。
「主よ、どうか彼女をお許し下さい。彼女は自分が何をしているのか、分からないのです……」
薄れゆく意識の中で、俺は最後に彼女の声を聞いた。
「プレゼントありがとう、パパ。ケリーね、次は新しいワンピースが欲しいな……」