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晩飯

誤字報告ありがとうございます!

家に着くとそれはもう香ばしいとしか表現できないような匂いが漂ってきた。

やはり年ごろ(ノエルは見た目で判断した)の女の子が2人も揃えばというのは間違っていなかったようだ。匂いが少し香ばしすぎるのは気のせいだと信じたい。

俺は匂いの発生源に向かった。

すると台所のようなところで2人が微妙な顔をしていた。

俺が「ただいま」と声をかけるとびくっとしてこちらを向いた。


「お、おかえりソウイチロウ。お風呂でさっぱりした?」

「おかえりなさいソウイチロウさん。町はどうでしたか?」

「ただいま。話すのはいいけどその前に飯が食いたい。作ってくれているんだろう?手伝うことはあるか?」


何やら向けられた笑顔が引きつっている気がしなくもないが俺の空腹は割と限界だったので気にすることは無かったが、俺の一言でさらに言いにくそうな顔になったのでさすがに声をかけた。


「.....なぁ、お前らの後にあるフライパンの中見せてもらってもいいか?」

「ダメです」

「ダメよ。完成を楽しみにしていなさい」

「ん、そか、なら失礼して」

「「ちょっ、まっ-----」」


俺は二人の様子がとても怪しかったので静止を無視して中を覗いた。

すると、なんという事でしょう。フライパンの中にはダークマターも真っ青な青黒い何かが強い主張をしていた。

本当は薄々分かってはいたのだ。俺は一人暮らしだったので節約のために料理をしていた。なので普通の晩飯であんなにもキツイ匂いがするわけがなかったのだ。

俺は異世界に来ても美少女の手料理は体験できないらしい。


「はぁ。夕飯は俺が作るよ。と言っても時間もないから簡単なものだけどな」

「あんた料理できたの?なら先に言いなさいよ。そしたら私たちがここまで頭を悩ませる必要なんてなかったじゃない」


こいつ飯抜きにしてやろうかな。

そんなことを考えつつ冷蔵庫の中身を確認していると2人の会話が耳に入ってきた。


「私たちはどうしましょうか。お手伝いをしても邪魔になる気しかしませんし」

「そうね。お風呂でも入りましょうか」

「銭湯に行くのか?なら帰りにキャベツとトマト買ってきてくれ」

「は?銭湯行かないわよ家にお風呂あるもの」

「は?」

「だから家にお風呂があるから外に出る必要はないの。あ、言っとくけど覗いたら承知しないからね」

「なんで俺を銭湯に送った?」

「そういえばそうね。フェリアスに場所を教えてもらったのだけれど」


フェリアスに目を向けた。

するとフェリアスは目をすごく、とてもすごく泳がせて顔を逸らした」

美人は何をしても絵になるなぁ。


「フェリアス様?なぜ顔を逸らしてらっしゃるのですか?ねぇ、なんで目を合わせてくれないんですか?ねぇ、なあ!」


無理やり目を合わせようとする異世界人。それを体ごと逸らして逃げる時期領主。それを面白そうに眺める女神という面々。

中々のメンツである。

それを繰り返しているともういいと言うように口を開いた。


「分かりました!話しますよ、話せばいいんでしょう??!!」


ヤケクソ気味にそういうフェリアス様は涙目だった。


「一番風呂!」

「は?」

「だから、一番風呂ですよ!引っ越した後の一番最初のやつです!」

「はぁ、で?」

「で?ってなんですか?!私、領主の娘なのでそういうのちょっと憧れてたんですよ!悪いですか?!」

「お前ら割としょうもない事にこだわりを見出すところそっくりだよな」

「待って、私の憧れこんなのと一緒にされたの?」

「こんなの?!」


反応がノエルと一緒だった。

思ったままの事を言うとろくなことにならないという事を学んだ。


なんだかんだ、言いつつ2人で風呂に入っていった。


それを見送って改めて冷蔵庫の中を確認する。

中身は豚肉、卵、白菜、ネギ、人参。

う~ん。卵は3個で人数分あるなら親睦もかねてアレでいいか。

俺は大きな鍋を用意した。

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