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第5話

一つ目小僧は一体あたり100DP。一方で二口女は5000DPもした。単純計算で50倍の強さだ。


二口女のステータスを確認する。


———————————

名前 なし

種族 二口女

レベル1

体力4762/4762

魔力8312/8312

知力416

筋力9003

速力4319

運121‬

スキル

『暴食』

生きた生物を食べることで体力が大回復する。

『繰髪』

髪の毛を自在に操ることができる。

『薙刀術lv6』

『槍術lv3』

『護身術lv5』

——————————


「さすがの強さだな」

「うん、スキルも強そうなのが多いね」


二口女は無表情でその場に立ち尽くしている。

暴食や操髪もさることながら他の武術スキルも高レベルだ。それが3つも兼ね備えている。


「やっぱり喋れないのはもったいないな〜」

「だな。DPに余裕があれば階層追加をしても良いかもな」


二口女の見た目は非常に美しい。この容姿は利用できるかもしれない。


【7日目 ダンジョンルーム】


ここでの生活もだいぶ慣れてきた。ここ数日やっていることは一つ目小僧たちのレベル上げだ。


ガン曰く「二口女さんが仲間に加わったことで練習の質がかなり上がりました!」とのこと。


実際に一つ目小僧たちのレベルは平均7くらいまで上がった。


スキル上がっているようだ。ガンも棒術のレベルが4になって喜んでいた。他の奴らもしっかり上がっている。


【12日目 ダンジョンルーム】


ダンジョン解放に向けてダンジョンの中の整備を始めた。


今までは俺と渡邉さんが寝ている小さな部屋と妖怪たちが寝ている大きい部屋を廊下でつないでいるだけだった。


もちろんトイレもちゃんとある。廊下に隣接するような形で小部屋を作った。必要DPは『扉(100DP)』と『和式便所(200DP)』、『新聞紙(1束10DP)』どなっている。


トイレに鍵がかからないから念入りにノックするしかないし、今時和式便所だし(洋式便所は1500DPもかかる)おまけに拭く時は新聞紙をくしゃくしゃにして使う。


女の子の渡邉さんには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

汚物はダンジョンに吸収されるからせめてもの救いだ。


ここだけの話だが吸収履歴を確認した時『ワタナベの○○ 0DP』や『ナカムラの○○ 0DP』などが表示されていた。


俺はダンジョンコアに二度と表示しないように念入りに忠告した。


【15日目 ダンジョンルーム】


ダンジョン内の整備が終わった。


新しいダンジョンは入り口から入ってしばらく道なりに進むと分かれ道に当たる。

分かれ道は右と左に分かれており、どちらに行っても結局同じ大広間に出る。


大広間は縦横20メートルとかなり大きい。

ここで侵入者を撃退すると言う計算だ。


じゃあなぜ分かれ道を作ったのか。それには理由がある。

挟み撃ちをするためだ。


あらかじめ大広間には10体の一つ目小僧と二口女を待機させておく。

例えば進入者が右側に行ったとする。そこで二口女は侵入者が選ばなかった方の道に入る。


侵入者が大広間に出ると一つ目小僧との戦闘が始まる。侵入者が一つ目小僧たちに気を取られているすきにそのままぐるっと回ってきた二口女が背後から襲いかかると言うわけだ。


ちなみにこれは渡邉さんの案である!


「すごいな、渡邉さん。こんな戦法を思いつくなんて」

「そんなことないよ〜。孫子に比べたらまだまだだよ」

「ライバルのレベルが高い」


渡邉さんは頭をかいた。


渡邉さんは頭脳明晰だ。これからもダンジョンに貢献していってくれるだろう。


じゃあ俺は何ができる?


考えぬいた末、俺は武器を手に取った。


【18日目 ダンジョン 大広間】


一つ目小僧たちに混じって戦闘訓練を始めて3日が経った。


ずるいと言われるかもしれないが俺は剣術のスクロールをlv3まで購入して読んだ。その後は木刀を片手に一つ目小僧たちと乱闘をしている。


スクロールってのはなかなか便利だな。専門書とも何か違う。読んだら動き方が頭に入ってきて……くそ、説明しづらいな。


剣術をやりだしてわかったことだが、薙刀や棒術って結構強い。やっぱりリーチが長い武器は迂闊に近づけない。

そう言う意味では柔術はかなり実践には不向きだ。

今度からは柔術のスキル持ちは後から剣術のスクロールでスキルを叩き込んでやろうかな。


だが、薙刀や棒が剣の間合いに入った時、効果が半減するように柔術の間合い入った時、武器持ちはなすすべがない。

俺も先ほど華麗な巴投げを食らった。


【24日目 ダンジョン 大広間】


渡邉さんとの話し合いの結果、第二階層を追加することになった。


理由は3つ。


1つ目は階層は固定資産だからだ。

妖怪たちと違ってなくなる恐れがない。


2つ目は二口女をネームドモンスターにするため。前も言った通り二口女の容姿はとても良い。色仕掛けをできるような知性が欲しいのだ。


3つ目に渡邉さんが二口女と話したいから。渡邉さんは明言しなかったが彼女の仕草を見れば分かる。メガネを何度も押す時は渡邉さんが興奮している時だ。


第二階層を追加し、大部屋を1つ、小部屋を2つ作った。


大部屋は一つ目小僧たちのため、小部屋の1つは二口女のため。そして最後の小部屋は俺と渡邉さんの部屋だ。


いい機会だし別の部屋にしようかと提案したが拒否された。なんでもDPがもったいないからとか。


●○


二口女を呼び出し、名前をつけることにした。


「私が名前つけても良い?」

「ん、んん……」


渡邉さんは一つ目小僧に『眼球』と言う名前をつけた前科がある。あまり信用ならなかった。


「大丈夫! 今回はいい名前を考えてあるから安心して」

「分かった。任せるよ」


渡邉さんの熱意に負けて俺は素直に譲る。どうせまたやばいのだったら却下すれば良い。


「この子の名前はね……」


渡邉さんがニコニコと笑う。


「『ふたくちりん』!」

「却下」


結局二口女の名前は『お(りん)』になった。


「ええ〜ふたくちりんの方が可愛くない?」

「そんな間抜けな名前嫌だろ……」

「そーかな……まあ、『お凛』も良い名前だと思うけどね」


『二口女(1)をネームドモンスターに登録しました』


ダンジョンコアがオレンジ色に輝いた後、二口女は瞬きを数度した。


そして二口女は艶っぽく笑う。


「わらわに魂を吹き込んでくれたこと感謝するぞ。我が主人たちよ」


おおー。

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