ー第三章 憂鬱なすれ違いー 【3】
ラブコメはしばらく出てこないかも。なんちゃって。
はい、すいません。
俺は恐る恐る人だかりが出来ている方へと歩を刻む。そうしてたら、涼が俺を止めた。
涼「お前なんで桜坂のほうに行こうとしてんだ?また昔の二の舞くらいたいのか?」
陸「大丈夫。俺はもうあんな風にはならない。そうさせてくれたのはお前だろ?これもクラスでの
付き合いってことで。それならいいだろ?」
涼「・・・・・・間違っても好きになんかなるなよ。」
陸「あぁ。お前は変態だが優しいな。」
余計な一言を付け加えて、そう言い聞かせ、また一歩、と進んでゆく。
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人だかりの中心はもちろん桜坂愛音、その人。人だかりの理由は?・・・って、何これ。どこまで
とんでんの。あんさん。記録は・・・372・・・?は?これ世界記録じゃね?いや、おかしいだ
ろ。こいつ・・・まさか宇宙人とかじゃないのか?・・・とか、どうこう考えてるうちにも、新記
録。380・・・・・・・・・。人間の飛距離じゃねぇだろ、これ。この子走り幅跳びしたらどうな
んの?1000とか出ちゃうの?もしかして。
みたいな具合にいろいろ考えてたら、彼女がこっちに気づいて、パァッと笑顔を見せると本日2度
目。抱きついてきたよ。飛んで。え、今俺との距離4メートルはあったよね?俺は抱きつかれたと
いうより、むしろタックルされて案の定後ろへ後退。そしてこけて、背中を擦って。痛いよ!あん
た!言う間もくれず、彼女はこう言う。
愛音「陸、見〜っけ!」
この時は少しかわいいとか思ってしまって。怒れなかったんだよ。でもこれは好きって感情とは違
うって確かに分かる。それにしても。
陸「これから大変になりそうだな・・・。」
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愛音を無理やり俺から剥がして俺は握力を測りに向かう。測ってる途中、横から愛音ちゃんと付き
合ってんの?とか言われたりして。気が抜けてまともな記録が出なかったよ。・・・嘘です。ただ
の言い訳です。ごめんなさい。俺の調子は絶不調なところ、あいつはと言うと、快進撃。今日やっ
た全ての種目余裕で満点。こいつ・・・もう、すごいと言うよりやばいな。だって、反復横とび
76回。20メートルシャトルラン242回。握力は・・・まぁ女子ではすごい45キロ。これだけ勝っ
た。もう男として立場のある奴なんかうちのクラスにいねえんじゃねえの?あと、上体おこし46
回、長座体前屈78センチ。化け物とはこいつのことを言うんだろうか。
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ー第三章 憂鬱なすれ違いー 【4】続きまっす
化け物現る。