ー第二章 君が笑ってたからー 【4】
愛音ちゃんがDarkになります。
暗くなるってことです。
?「留学なんかしたくない!なんでそんな急になの!」
愛華「仕方ないじゃない。お父さんに呼ばれたのよ。愛音を一人置いていくわけには行かないでし
ょ?いい機会なんだから、留学しなさい。強制よ。分かった?」
愛音「せっかく陸と仲良くなれたのに、留学なんて嫌!!!」
愛華「じゃあ、こう考えるのよ。これは花嫁修業。陸君を幸せにしたいんなら、留学しなさい。こ
こに残っても、陸君に迷惑かけるだけ。そうでしょ?」
愛音「う・・・・・・。」
愛華「分かったらとっとと支度しなさい。明日にはここを発つわよ。」
愛音「・・・・・・。」
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私の言い訳はあっさり受け流され、次の日には陸君にはもう会えないって分かるぐらい遠くへ行っ
ていた。今はもう飛行機の中。陸君にもう会えない。そう考えると、すぐ涙が出てくる。なんでっ
て、そんなこと分からない。きっとまた会えるって自分を自分で慰めても、それでももう涙は止ま
らない。
―――ずっと陸君と一緒にいたいのに、なんで離れなきゃいけないの?
自分の中でその言葉ばかりが渦巻く。しばらく私はお母さんと口も聞けなかった。その日からしば
らく、私の大好きだったお母さんは、悪魔のように思えた。陸君と私を遠ざけた人。そう考えるよ
うになっていた。
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――今は夢の中。夢の中ではきまって笑顔のあの人が出てくる。その度悲しくなって目を覚ます。
朝起きると泣いて、夜思い出すとまた泣いて。気がつけば私の枕は涙でシミが出来ていた。それか
ら、私は睡眠不足もあってか少しどこか暗い感じの漂うそんな子になっていた。笑うのが難しくな
った。留学先の友達とも、どこか気の抜けた、友達づきあいだけの笑顔。そんな笑顔しかできなく
なっていた。だって、飾り気のない笑顔なんて今の私にはできっこない。だって私は、
――陸君が笑ってくれたから笑えていた。
今そういうことを考えると、そんな結果に辿り着いちゃうんだ。
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ー第二章 君が笑ってたからー 【5】 続きます
愛音ちゃん・・・泣かないで・・・ぐはっ。