ー第二章 君が笑ってたからー 【2】
少し語り気味な主人公。
こいつは何を言っているんだ。何も言わず急に消えていったくせに。そのせいで俺はどれ
だけのものを失ったと思っているんだ?訳が分からない。何が花嫁修業だ。そんな人生を
適当に過ごしている奴は俺は知らない。
そう思った。気が付けば俺は虫唾が走り、こらえきれなくなり席を後にしていた。
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―――なんで今更戻ってきた?
現在地は屋上。理由は少し風にあたりたくなったから。それだけ。
つい先ほどのことを振り返ってみる。昔できた許婚。留学して会ったのは5年ぶりぐらい。
あいつは突然現れて突然抱きついてきた。その時鳥肌が立ったのも確か。
もう好きじゃないんだな、って実感した。だって鳥肌は普通立たないだろう?
過去のことをやっと振り切れた、そんな気も少しはした。
。。。ただ、とてもこれから嫌な気がするのは俺だけか?
?「陸!何で逃げるの!」
背後からの声。反射的に振り向く。そこにいたのはやっぱあいつ。愛音だ。なんだろう。今悪寒が
した。もしやこいつは、俺にとって鳥肌・悪寒・その他の内面的ショックを与える奴になったんだ
ろうか。なんだよその設定。まるで俺がこいつを嫌いみたい、、、なのか?
俺に向けられた笑顔は、昔見せられるとそれだけで幸せになれる存在感のあるもので。
俺に向けられた笑顔は、今見せられるとゾクッとするなにかに見まわれるとても迷惑なもので。
それをこれから毎日見ることになる。そんな物語誰も望んでないのに。
俺はこれからの学校生活をとても暗く感じた。でも、まだ決め付けるのは早いか。
どちらにせよ、今までの普通な生活は、送れそうにもない。
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ー第二章 君が笑ってたからー 【3】へ続きます
屋上って、さりげなく思い出の場所だということに今気づいた。