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少女、少女か~
灰色に染まった髪の毛を無造作に肩にまで伸ばし、肉付きの薄い体はまるで貧困の孤児という言葉が容易に頭に浮かぶ。
うむ、あまり戦いには向いているとは思えんが……
むぅ、我、長考。
「これは、何なのでしょうか?」
しかし、これは運命なのではないのか?
あきらめかけていたところに希望の一筋というか……
なんだか偶然とは思えなくなってきたのである。
「あの~、あの~?うー、こんなの初めて見ました。危険はないですよね?」
けれど、こんな幼げの女子を巻き込んでもよいものか?
我と共にいることで、戦いを選択しなければならない日が必ず来るであろう。
この娘は戦えるのであろうか?
「うん、大丈夫ですよね。私には、関係なさそうですし……放っておきましょうか」
いやいや、待つのである。
そもそもこの娘と契約をするとまだ決まったわけでもあるまい。
まずはこの契約に同意をしてもらわねば。
うむ、そうと決まれば!
娘よ!我と共に行こうではないか!
…………
うむ?あの娘はどこだ?
見当たらん、見当たらぬぞ!
もしや、我が考え込んでいる間にどこかへ行ってしまったのか?
なんたることだ!
早く見つけ出さねば!
また、さまよい続けることになってしまう。
娘よ~、どこであるか~!
でてきておくれ~
むーすーめーよ~~~!
ここか!
おんぼろの小屋の中にその娘はいた。
我に背を向け、何かを一生懸命に食している。
『何をしているのであるか?』
「っ!んん?」
我が声をかけると、娘はキョロキョロとあたりを見渡し、首をかしげる。
『こっちだ、こっち』
娘は我を見つけると目を見開き一言。
「あ、さっきの……キンタマ、ですか?」
『キッ、キンタマ?!お、おおお女の子が、そそそんなはしたない言葉を軽々しくいう者ではあるまい!』
金色に輝く球、略してキンタマということであるか?!
なんということであるか!失礼であるな、まったく!
我、憤慨。
まあ、いい。
気を取り直して。
『娘、名は?』
「……そういうあなたこそ一体何なんですか?」
『おおっと、我としたことが。そうだな、我はかつて最強とうたわれた北欧神話の大いなる意思である!』
「……とても長い名前ですね。ホクオウさんでいいですか?」
『省略?!しかしホクオウか、悪くない、悪くないぞ!では、これからホクオウと名乗ることにしよう。それで其方の名は?』
「トワ、それが私の名です」
『トワ……ふむ。永遠の名を冠する名か。いい名であるな』
これが我と娘、トワとの出会いであった。
新たな神話の始まり。
またここから始めよう。
『トワよ、我と契約をしないか?』