表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

2

 ふむ、少しばかり先走りすぎたであるな。

 いかんいかん。まだ人一人見つかっておらぬのだ。

 我の野望を語るには性急すぎた。


 よし、我にふさわしいパートナーを見つけるとしようか。


 しかし、物寂しい所であるな。

 こんな所では、パートナーどころか虫一匹探すのも一苦労である。

 はぁ、仕方あるまい。

 これも野望のため、いざ、参る。



 う~む。

 先ほどから数刻ばかり移動をしておるが、なかなかこれといった者がおらん。

 熊に兎にムカデ。

 う~ん、熊はともかく兎とムカデはないな。

 それに、やはり動物はどうしようもなくなったときにでもならなくては、あまり気が進まんな。

 出来れば、知性を持つ神や人間などが好ましい。


 しかし、見たことのない生き物がちらほら存在しておるな。

 興味深い、実に興味深い。

 我、関心。

 

 それにしても、我が存在しているということは、他の大いなる意思たちもこの世界に存在しておるのだろうか?

 もし出会うことになったとしたら……

 

 また、戦うことになるのであろうか?


 もう、あの世界のルールや理に従うこともあるまい。

 もはや、存在意義を賭けて戦う必要どこにもないのであろうが、あの戦いで多くの負の感情が生まれたのだ。

 戦う理由がなくとも、復讐に取り憑かれた意思もあるかもしれん。

 我としても出来れば争いたくはないのだがな。


 いや、今考えていても詮無きことか。

 時が来れば自ずと答えも出よう。

 今は、あるかも分からぬ未来より、目先の問題である。


 我の心を穿つような者がおらんではないか!


 もうどれ程時が経たのかも分からぬわ!

 もういっその事、熊にしてしまおうか……

 いやまて、早まるな。

 遠くない未来、後悔する光景しか浮かばぬ。

 やはり真剣に考えねば。

 我、吟味。


 それからさらに時が過ぎた。

 我は限界であるぞ。

 もう、疲れたのである。

 しかし、まだ我にふさわしいパートナーが見つからぬ。

 これは覚悟を決めるしか……


 ぬ、あれは……村か!

 おおっ、村があるぞ!

 人がおるのか?!知性を持った生き物が!


 待っておれ、我が今行くのである。

 愛しきパートナー!


 おおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ


 走る、走る。

 我、爆走!



 村にたどり着くには着いたが……

 人の気配がない。

 もはや、廃村であるな。


 これは、外れか?


 「何者ですかっ?!」


 むおっ!

 これは、人の声?!

 やっと、出会えた。

 我はわくわくしながら振り返る。


 「まるい?なんか眩しい。これ……なんですか?」


 我の目の前には、可愛らしい少女がいた。


 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ