200文字詩篇 聲(200文字) 作者: 竹井閑山 掲載日:2016/02/27 春まだ浅き寺の庭 二尋の丈の碑のそばを 雀が三羽戯れていた 平日午後の陽の光 あたりはひっそり閑として 雀の声よりほかの音は 天より高く吸いこまれていった 静かだ くり返し感慨にふけっていた 見るとそこに雀の姿はなく 声だけが存在していた 人生は思い通りにゆかんと 諭すように言う者がいるが それがどうした 思い通りにゆかんということが 思い通りにいっているではないか 春まだ浅き寺の庭 三羽の雀は碑に刻まれていた 声だけが存在していた