3-7 みずき、あっさり裏切る
「ライス先生!次回作はまだなんですかあ!!
俺待ちきれないっすよ!!」
「ははは、よく言われるよ。
次回作は、本格的に賞を狙っていこうと思ってね。
気合い入れて書くよ。ははは!」
ライス先生と野口は楽しそうに話しているが
みずきは本を眺めたままフリーズしている。
そして、恐る恐る本を開いて読んでみる、、、
「乳首にアツアツごはんのせて食べてみました!」
あつ!あつ!あっつー!!!
やっぱ無理!!無理!むりのすけー!!
たとえコシヒカリでもむりー!!
やけど!やけどしたっちゅうねん!
乳首黒くなってもうたやん!!
もともとやけどね!!
むっはーーー!!
、、、、
みずきは静かに本をゴミ箱へ投げ捨て
ため息をついた。
「おかあさん、、、気持ちはよーくわかった。
確かに芸風が野口にそっくりだわ、
あんたの旦那。」
お母さんはその場に泣き崩れた。
「だから、あいつとだけは付き合ってほしくないの!!
変態旦那を持って苦労してほしくないの!あの子には!!
所で
みずきさん!お願いがあります!」
みずきに懇願するお母さん。
当惑顔のみずき。
「あの野口を朋美から引き離してください!
お願いします!」
「でも、、、2人は愛し合ってるわけだし
なりゆきに任せる方が、、、」
お母さんはおもむろに
バックから札束を出してみずきの前でちらつかせた。
「あいにくうちは夫がベストセラー作家なもんで、、
お金はありますのよ。」
とたんに燃え上がるみずきの眼の奥の炎。
「まっかせてくださーい!
あの腐れ野口とお宅のお嬢様が付き合うなんて
身分が違いすぎますよねえ!!
前からそう思ってたんですよ!!
ほんと!
きっちり別れさせて見せましょう!!
ついでに野口は再起不能にしときます!!」
くくく、、、
悪魔的な笑いを浮かべるみずき。
あのみずきに目をつけられてしまった2人。
2人にとっての最大のピンチであることは
間違いなかった。