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3-6 父登場

お母さんは

青白い顔をして


改めて野口を憎悪のこもった眼で見つめる。



「あいつだけは駄目、、、



朋美には、私と同じ思いをしてほしくない、、、

あいつは、同じ匂いがするのよ



世の中でもっとも

私が憎んでるあいつと」





頭を抱えて座り込むお母さん。

すると突然後ろから聞こえてくる。








「その憎んでいるあいつとは私のことかね?」



その、甘く低い声にお母さんはびくっとしてふり返る。




一部の隙もなくアルマーニのスーツを着こなし

きれいに刈りそろえられた髭をなでながら



その紳士は尚も言葉を続ける。




「朋美。騙されてはいけないよ。

君はまぎれもなく私の子供だ。



愛してるよ、朋美」




朋美はその言葉を聞くと

喜んで立ち上がり、犬の耳を投げ捨て

叫んだ。



「お父さん!」



お父さんに走り寄る朋美。



お父さんは胸ポケットからハンカチを出し

朋美の涙を拭いてあげている。




「ははは、朋美。

こんなに泣いちゃ美人が台無しじゃないか」




「おとうさーん!」






また泣き出した朋美。

その傍らにいた野口にお父さんは右手を差し出す。




「君が野口君かい?朋美から話は聞いているよ。

私が朋美の父だ。よろしく」




握手をする野口とお父さん。




「いつも朋美が世話になっているみたいだな。

礼を言うよ。



そう言えば、君は小説を書くのが趣味らしいじゃないか

良かったら私の本も読んでみるかい」




お父さんは野口に本を渡した。




渡された本の題名を見て

とたんに震えだす野口。




膝をガクガクさせて

脂汗を出しながら野口はお父さんに尋ねる。




「え?え?この本、、、あなたが書いたんですか?


え?マジで!」




「ああ、そうだよ。

私の職業は小説家だからね」





「うっそ!!サインください!

俺この小説の大ファンなんですよ!!



すげー!

俺この本毎日読んでるよ!!」





興奮した野口はお父さんに駆けより

サインを本にしてもらっている。




その様子を見ていたみずきはお母さんに尋ねた。



「ふーん、あんたの旦那偉い人なんだねえ?

それなのになんでそんなに嫌ってるの?



わかった!浮気しまくってるとか?」




「いえ、、、あの人は浮気はしないわ、、、」




そう言ってお母さんは

先ほど野口がもらった本をみずきに差し出す。




その本を手に取ったみずきは

表紙をなんとなく眺めた。




、、、




表紙を眺めてなぜか違和感を感じるみずき。





その表紙にはこう書かれてあった、、、










「乳首にアツアツごはんのせて食べてみました!」





作 ぽこちんライス君














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