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3-4 種族が違うの!!

「勇者様!十字架ありがとうございます。

拾ってくれたんですね、、、うれしい。



私のことを気にかけてくれたんですから、、、

こんなにうれしいことはないわ」



朋美はじっと野口を見つめる。



そのうるんだ瞳を見ると

朋美が野口をどう思っているかが


手に取るようにわかる。




「好きです!!」




朋美は別に口に出さなくても

分かっているのに



改めて野口に言う。




少し照れて頭をかく野口。




しかし順調な恋には必ず

邪魔が入ると昔から決まっている。



「ちょっと待ちなさい朋美」



冷淡な視線で朋美を見るお母さんは


おもむろにバッグの中から

何かを取り出す。




「朋美、、、あなたは犬なんだから

これをつけときなさい。



後、大事なことを

今あなたに伝えておくわ」




お母さんの手に握られているのは

犬の耳がついたカチューシャ。




「あなたは犬なんだから!!



そこのアホ面の彼氏とは

種族が違うの!!




だからけっこんとかできないしい!!




あなたとそこのアホ面とは

一生ペット以上の関係にはなれないのよおおおおお!!」




朋美は顔面蒼白。



まるで体に電流が走ったよう。





細かく身体が震えるのを

必死で止めようとする朋美。




そんな朋美に容赦なく

犬の耳を頭につけるお母さん。




「あと、言い忘れてたけど

あなた犬なんだから言葉の語尾に



ワンってつけるの忘れないでね!




ふえっへへへへ」





自分の頭の上に付いた犬の耳を触る朋美。




自分のどうしようもない運命、

いや宿命を心から呪う朋美。



どうあがいても

愛する人とは結ばれない。



だって、種族が違うから、、、、





「そうだワン、、、

勇者様と私は結ばれない運命だワン、、、」





落涙。




朋美の眼から涙がこぼれ落ちる。





過酷な運命に翻弄される朋美の心は

まるで荒波にもまれる一艘の小舟のように




激しく揺り動いていた。









ふううう

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