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3 全て幻!

「ちょっと?会員番号170番の美人1号だけど?なに?お前の買いは受け付けない?

金返せ?うるさいわね!臨時収入が200万ほどあったから返すわよ!


園田の3レース2番から総流し、馬単でね、10万ずつよ!

聞いてんの!!」




電話をするみずきさんの横顔を見つめている俺。

身もだえするほど美しい。



いったいどこへ電話をしているのだろうか?

専門用語を駆使してしゃべるみずきさんの姿は

キャリアウーマンそのものだ。



仕事も出来て、しかもやさしいみずきさんと

俺は釣り合うのだろうか。



以前の俺ならそう心配していた。




しかし今は違う!



俺は大作家への道を歩み始めたのだ!



貯金もなくなり今は一文なしだが

今に俺は印税生活に入る!



しかし、あれから一向に連絡がないのはなぜだろう、、、




それはともかく大作家になったらみずきさんにプロポーズしよう。



「俺はやっとみずきさんに釣り合う男になったよ!さあ結婚しよう!」

すると彼女はほほをあからめ

「野口さん素敵!結婚しましょう!」

って言う。



くーーーー



妄想をしている俺の隣でなおも、みずきさんは電話をしている。



「え?仕事?ああ例の運び屋の、、、

行方不明になってもいいやつ紹介してくれって言われても、、、」



突然みずきさんは俺を潤んだ瞳で見つめる。

突然のことに俺はうろたえる。



なおも見つめる、みずきさんの瞳。

どこまでも澄んだみずきさんの瞳は、夜空に浮かぶ星のようだ。




「ああ、適当な奴見つけたから受ける!その仕事。

500万前払いの約束忘れるんじゃないわよ!!」




静かに電話を置くみずきさん。

するとなんと!俺の手を取ってこう言うではないか!!



「頼みたいことがあるの、私のこと好きだよね?」




好きに決まってるじゃないですかあああああああ!!

あなたの頼みならどんなことでも聞きます!!




「私と一緒に旅行に行ってほしいの、、、」



旅行!!!!



マジで、、、




「行きまっす!あなたとならどこへでも行きます!!」



「うれしい、、、好きになっちゃうかも、、」




最近何でもうまくいってしまう自分が、怖い、、、

大作家への第一歩を踏み出した次は、憧れのみずきさんと

旅行に行けるなんて!!




最高の幸せに浸ってる俺。

すると背後から突然、悪魔のような声が部屋に響き渡った。






「勇者よ、だまされてはいけません!これは全て幻です!」





私もラゴスに殺意を覚えた一人です

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