2-13 ホームドラマはめんどくさいので終わりにしよう
その部屋でみずきは見た。
引っ越しでかたずけたはずの荷物が
元通りになっているこの部屋を。
家具や本棚、お気に入りだったカーテンまで
元通りになっている。
「みずき、、、」
梅木だ。
すかさずマシンガンを構えるみずき。
「部屋は元どうりにしておいた。
うめちゃんも一緒に暮らしたいって言っている。
そして、みずきをこの部屋に呼んだ、、、
誘拐でもされたとでも言わなければ
おまえは来ないと思って、、、ごめん」
黙って梅木を見つめるみずき。
「へへへ、、、ホームドラマは
もうめんどくさいんでやめにしようや!
うめちゃんが望むなら、、、
いいじゃねえか」
みずきから消える敵意と殺気。
梅木も少しずつみずきに寄ってくる。
しかしその瞬間みずきはマシンガンを構え
トリガーに手をかけた。
何とも言いようのない微笑みを浮かべる、、、
「やっぱ、、、この家嫌いだわ、、、
ぶっ壊す!!!!」
安全装置をはずし腰に構えたマシンガンから
放たれる銃弾は
あっという間に、部屋を粉々にしていく。
冷蔵庫、食器棚、壁
すべて穴だらけだ。
もうもうと煙が立ち込め
廃墟となった家にみずきは立ちつくす。
「古い思い出なんかいらない。
だからぶっ壊す。
こんな安っぽい家の小さな思い出なんか
私がいま粉々に壊した。
うめちゃんと私には
これからの方がよっぽど大事なの。
昔の良かったころの思い出にすがって
家を復元して戻ってこいなんて、、、
そんなんだからおまえは駄目なんだよ!!
梅木!おまえも家と一緒にぶっ壊そうか!!」
逃げようとする梅木を捕まえ馬乗りになり銃口を向ける。
みずきは叫ぶ!叫び倒す!
「これからあなたは変わるの?変わらないの?
どっちなの?返答次第では、、、、」
「変わる!変わるよ!仕事もまじめにするし
うめちゃんも大事にするよ、、、」
「まったく、、、あんた、、、
あんた、うめちゃんのパパじゃなかったら
とっくに殺してるわよ、、、
うめちゃんに感謝しなさい!」
煙草に火をつけほほえむみずき。
マシンガンを放り投げると
平手を梅木に一発。
そして梅木にキスをするみずきだった。
、、、、、
「これからかあ、、、いいこと言いますね。
みずきさん」
帰り道朋美が野口に言う。
「そうだな、、、」
「私たちのこれからはどうなるんでしょうねえ、、、楽しみ!!」
野口を見つめる朋美。
その視線を感じながら照れ隠しに下を向いて歩く
野口だった。