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2-10 きれいな涙

「行くぞ!それ!」




うめちゃんのけるサッカーボールを

みずきが追いかける。



みずきは

日ごろの運動不足がたたり、まったく追いつけない。






春の公園。



ボールをける2人は幸せそうだ。






「ぜーーぜーーー、、、おえ、、げぼ、、、

無理!絶対無理!



うめちゃん、、私リタイア!」




公園の地面に倒れるみずき。





「しかたないなあ、みずきさん!

俺が相手しますよ!



おーい!うめちゃん!

未来のパパがあいてしてあげるよお!」



「誰がパパなんですか、、、

みずき家の捨て駒にされてるくせに、、、」



公園に野口と朋美も現れた。

みずきを見かねてうめちゃんの相手をする野口。




「いくぞーうめちゃん!」





2人が楽しそうにボールをけるのを見て

みずきはポツリとつぶやく。



「やっぱ男の子の遊びにはついていけないわ、、

あの子にはやっぱパパが必要なのかなあ、、、」







楽しそうにボールをけるうめちゃん。



「おまえ!筋がいいぞ!さすがわしの手下だけ

のことはある。



だがな、、、梅木の方がもっとうまいんだぞ!



奴は高校の時インターハイに出るほどの

サッカー選手だったんだぞ!



ヘディングのしすぎで馬鹿になったらしいのだが、、、」




「なら、あいつにサッカー教えてもらおうよ!うめちゃん!」




「そうだな、、、みずきは下手だしなあ、、、

あーあ、、梅木といっぱい遊びたいのお、、、



そうだ!あいつの子になってしまおうか!!」



そう言ったあと、ちらっとママを見るうめちゃん。







しかし、みずきは後ろを向いたまま。







「どうしたのだ?みずき、、、!」




うめちゃんがみずきの顔を覗き込む。




するとそこには、

大好きなママが涙を流しながら立ちつくす姿があった。








「、、、、なっちゃえばいいじゃん、、、、、」







流れる涙を拭こうともせず

下唇をかみしめる。




こらえてもこらえても、あとから涙は溢れ出す。




うめちゃんは、固まったまま動かない。




うめちゃんの方にそっと手を置き、やさしく微笑む朋美。



「泣かしちゃったね、、、うめちゃん。

さあ、こんな時はどうすればいいんでしょうね?



よーく考えてみて?」




朋美の言葉にうなずくうめちゃん。






みずきに近寄り、涙を拭いてあげる。


「嘘に決まっているだろうが、、、

悪かったな、、、」





突然うめちゃんをぎゅっと抱きしめるみずき。

うめちゃんもママを抱きしめる。




「、、、、どこへも行かないで、、、、」









「あのみずきさんが泣くなんて、、、以外だな」

野口は少しびっくりした様子。




「ママってみんなああなんですよ、、、



うめちゃんしかいないみずきさんにとっては

なおさらでしょう、、、




でも、、、きれいな涙でした。



私もあんな涙だったら流してみたいです。」








みずきは涙を流したのがうそのように

今はうめちゃんと楽しそうに遊んでいた。





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