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1 野口とみずき

なぜか落着きがなく、体をもぞもぞさせている女。





なぜだろう。

不思議になって、思い切って俺は聞いてみた。

すると彼女は

「関係ないでしょ」


ものすごく睨みつけられた。



心配してあげたのに、、、そりゃないでしょ。




あいかわらず彼女は落ち着きがない。

じっとり汗もかいているようだ。



このビルの事務所は空調完備だし

まだ3月。外は暑いってほどでもないのに



彼女は汗をかいている。

気になって仕事にならんじゃないか!




え?なぜそんなに俺は彼女のことが気になるんだって?




言わせんのか?好きにきまってるからじゃないか、、、



かわいいし、やさしいし

いいとこだらけだもん、、、時々俺に向かってニコッと笑ってくれるし

彼女も俺のことは好きかも知れないし、、、たぶん。




デスクに座り、パソコンに向かう彼女は

何事もないように仕事をこなしている。



しかし、やっぱり落着きがない。



もう一度聞いてみる。やっぱ心配だし、、、



「大丈夫?みずきさん。汗かいてるよ?」



俺の言葉を聞いたみずきさんは、静かにマウスから手を放し

俺の方を見る。


「野口君、、、ちょっと外で話しできる?」


!!!!

おーとうとう来たか!みずきさんからの誘い!

俺の優しさにやっと気が付いてくれたか!




給湯室で二人きりで話す、野口とみずき。



「ぶっちゃけ言わしてもらうと、、、あんたにはどう思われてもいいから言うんだけど

あたしがいつも油汗垂らしながら、、落ち着きがなく仕事してるのは、、、



水虫なのよ!!しかも慢性のね!!それも足の裏全体に伝染して

もうかゆくてしょうがないのよ!!

どんな薬つけても治らないしつこーーーい水虫ムカつく!!


って、、、そんなこと言うためにここに来たんじゃないのよ!

あんた!仕事中あたしのことチラチラ見るのやめてくれる!!!

正直キモい!

あたしはあんたに見られるのも嫌なぐらい嫌いなのよ!!

そこらへんのことよく理解してくれる!」





俺は感動した。

彼女の秘密を俺に告白してくれたからだ。

感動しすぎて後半はよく聞いていなかったが、、、



みずきは勢い良く給湯室のドアをバタンとあけて出ていく。




一人取り残される俺。



そうか、、、そうだったのか、、、

こんど彼女にプレゼントしよう。



水虫の薬と、五本指の靴下を。



部屋で水虫の薬をつけながら、五本指の靴下をはく彼女を

想像する、、、



美しい、心洗われる風景だ、、、




事務所に戻りまた落着きなく仕事をしているみずきを見る。

みずきもこちらを見る。なぜか怒った顔だ。



こうして心を通じ合わせた俺たちは

だんだんと深い関係になっていくのだろう。



かゆいの我慢できないよね

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