表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/32

シナリオ作成用の俺の嫁が可愛すぎました。②

 炭酸水を飲みながら待っていると、ポップアップが表示される。

「できましたっ!」

 アルちゃんが喜びのあまりクルクル回る。一心不乱に回る。今宵は雪月花である。


「できましたか? じゃあ、前に倒した赤目黒龍の素材がかなり強力なので、武器と防具にしちゃいましょう!」

「了解しました!」


 そう言ってアルちゃんは俺の後ろをちょこちょこついてくる。会社の後輩にも見習わせてやりたい。ついでに後輩のツインテールをモフモフしてやりたい。いや、変態じゃないよ? 仮に変態だとしても、ツインテールに踊らされた変態という名の紳士である。


 鍛冶屋で早速素材を武器防具にしてもらう。ひとまず初心者アルちゃんにアドバイスをば。


「黒龍の皮なんかは鎧にして、牙と爪は刀にするのがお勧めですね。赤目については、レア素材で武器か防具に組み込むことになります。武器なら攻撃力が上がりますし攻撃に炎属性が付きます。防具なら防御力上昇と炎耐性が付きますよ」


 いつもなら絶対にやらない長々とした説明をアルちゃんに行う。

 アルテミス嬢は腕を組んでウンウン唸っているリアクションコマンドを発動させる。いちいち芸が細かいのも彼女の魅力である。


「それじゃあ、赤目は武器につけちゃいます。やっぱり攻撃は最大の防御ですね!」

 本当なら、防御を強化してくれるほうがすこぶる助かるのだが、ポテチを噛みしめて言葉を飲み込む。今日はコンソメ味である。だって、死なないほうが守るのも楽だしね。


ちなみに、アルテミス嬢にとって最大の防御は俺である。俺の鉄の肉体である。そこんとこ間違えないで頂きたい。


装いも新たにアルテミス嬢のグラフィックが変わる。黒を基調とした、龍の鱗があしらってあるビキニアーマー。吸い込まれるような漆黒の刀身に、柄の先から鎖が垂れて赤い宝石がぶら下がっている。ってか、黒いビキニアーマーとかめっちゃエロいんですが。


本当にアルテミスさんはどうしようもない変態さんですね。もう治療できないようなので仕方がありません。ずっとそのままでいて下さいよろしくお願いします!


とりあえずスクリーンショットで保存だけしておく。し、仕事の参考資料として保存したんだからねっ! 勘違いしないでよね!


「今日は、一気に山岳地帯まで行って、可能ならもう少し先まで行きましょう!」

 俺は今日の予定をアルテミスに提案する。武器防具が揃ってきたアルテミスなら、そのくらいのレベルがちょうど良いと思う。


「わかりました! 足手まといにならないように頑張ります!」

 アルちゃんの同意も得られたので、街外れまで向かうことにする。


 草原へと続く街外れ門のそばで、長弓を携えた金髪少女が立っていた。性格も胸も小物感が漂う、ラブたんである。


「こんです~」

「こんちゃんす」

「こんにちは!」

 挨拶してきたラブたんに各々挨拶を返す。


「ご一緒してもよろしいかな?」

 ラブたんが仲間になりたそうにこちらを見ている。

 断る理由は全くない。一対一より二対一、二対一よりハーレムプレイである。


「もちろんですよ~、よろしくどうぞ!」

「ぜひ、一緒にやりましょう?」

「ありです! よろです!」

 ラブたんが仲間になった! これで俺も楽ができるって寸法である。


「そういえば、フレ登録してるんだから、すぐにチャット送ってきたら合流できたのに、なんで門のところで待ってたんですか?」

 ふとした疑問を聞いてみた。ラブたんは当然のように答える。

「だって、道中で合流して仲間になるゼ! 的なほうがカッコいいじゃん?」


 ……あーはいはい、そういう奴なのね。

 なんかちょっと納得である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ