第2話〔サイテーな奴〕
chapter1
「やっと昼メシか。」
オフィスの屋上のベンチに座って、ひと息つこうとした矢先にケータイが。
誰だよ‥。そう思って電話に出た。
「壮一郎!
今夜ヒマだろ?」
電話の相手は幼なじみの村井健太だった。
「あのな~。勝手に暇人にすんじゃねえよ! オレだって忙しいんだよ。」
ちょっとキレ気味に答えると、「どうせ、彼女も友達もいないんだし。飲み行こうぜ!」
‥‥コイツ、相変わらず強引な奴だな。なんて文句言いながら、行ってしまうオレもオレだけど、、。
「じゃ、7時に駅前で!」
仕事終わって待ち合わせ場所に待ってたら、健太がやって来た。
「よお! お待たせ~。相変わらずシケた顔してんな~」「お前は、いつも馬鹿みたいにハイテンションだな」とオレも応戦していると、もう1人誰か来た。
「紹介するよ。俺の会社の同僚の井上さんだ。こっちは、幼なじみの柴田だ。お互いよろしくな。」
これが、オレと仁の出逢いだった。でも、第一印象はお互いにサイアクだった…‥。
chapter2
「じゃ、僕はこの辺で。」
おいおい! 誘うだけ誘っておいて自分は先に帰るって有り得ねーよ!!
健太の相変わらずなマイペースに振り回されたけど、相手に失礼だしとりあえず一杯だけって事で店へ。
とりあえず、ビールを注文して乾杯。「初めまして。オレは柴田壮一郎です。」「俺は井上仁です。よろしくお願いします。」
…何を話せばいいんだよ…。とりあえず、仕事の話しとかしてたらそれまで黙っていた仁が口を開いた。
「柴田さんって、今の生活に満足してますか?」
「はぁ? いきなり何なんだ?」 オレは訳も分からずに聞き返した。
「いいえ。自分にウソついて、虚勢張って強がって生きてて楽しいのかな。」
オレはちょっと痛いとこをつかれた気がして思わず「お前に何が分かるんだよ! 今日、初めて会う奴に言われたくねえよ!!」「だいたい、そっちだってさ無表情でムスッとして。お前だって、強がって生きてるんじゃねえのかよ!」
すると「君には分からないよ。本当に辛い思いして必死に生きてる人の気持ちなんて……」
そう言い残して、仁は立ち去って行った。
なあ、仁、、、。あの時、きっとお前は泣いてたんだろ?
教えてくれよ……。
そして、運命なのかオレ達はすぐに再会を果たした……。