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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
4章 森の大騒動~さぁ、匙は投げられた!?~【仮】
94/117

67.

読み辛いかも。

ごめんなさい。

「分かってくれたようだな。では、まずは、そなたらに選ぶ権利を与えよう」


 静まり返っていたその場はザワッと一気に泡立つ。

 と言っても、一言も言っていない。

 衣擦れの音が響くとは思わなかった。

 まぁ、普通は、あれだろう。

 言われたところで言われた通りにする、と考えていたのだろう。

 そこに降って湧いた権力者からの言葉に何事かと身じろぎした、と。


「お前たちには職業と住む場所を決めることができる。また、その場所でも、いくつかの集落に分けるので、この者とは一緒に暮らしたいという希望があれば、のちに聞く。そこは考えておくように。・・・では、まずは・・だ。暮らす場所を見ておく方が良いだろう。そこへ案内しよう。ただし、その縄はその場所へ着くまでは解かない。分かったな? では、お前たち、連れて行け」


 それ確認じゃなくて、強制だよね・・・。

 その言葉に一礼をしたメイドたちが、騎士たちから縄を受け取って連れて行く。

 その一団が出て行き、扉を閉めるまでを見送り、私は伸びをした。


『お疲れ様です。リナ様』


 マリアがいつの間にか持ってきた朝食の乗ったお盆をひじ掛けに架ける。

 朝食と言うか、昼食と言うか・・・下手したら夕食近くかもしれないが。

 どうやら、お盆の足がちょうどひじ掛けに引っかかる形になっているようで、多少動かしても落ちないようだ。

 それはそうと今日もおいしそうな料理で。

 手を合わせて。


「いただきます!」



~・~・~・~・~・~・~・~



 さて、お腹も膨れたし、お昼寝・・・と、思ってたのだが・・・。

 そうは、問屋が卸さなかった。


「では、準備は? できたら、連れて来い」


 食事も終わり、一服して部屋に戻るかと思っていたのだが、先生の一言に私は首をかしげる。

 それを見たのだろう。

 少しため息をついたかと思えば。


「もうしばらく黙ってそこに居ろ。すぐ終わるはずだ」


 そうしているうちに、騎士たちは、前にいくつかの道具を並べ、それが終わるとどこかに行き。

 そして、先ほどのどこかに連れて行かれていた罪人たちがまたそこに並べられた。


「集まったな。これより、お前ら、それぞれがする【労役について】話をする。良く聞け」


 一人、ヒステリックに叫ぶ男を無視して、先生は淡々と説明していった。

 曰く、これからすることは洞窟内の道の整備である。

 曰く、最前線は冒険者達とし、武具を貸し与え、大きな岩などをどかす仕事をしてもらう。

 曰く、奴隷諸君には、土を運び、敷き詰め、ならす仕事をしてもらう。

 曰く、最後に商人達はその土を固めるため、上から木槌で叩いてもらう仕事である。

 と、何とか商人たちのすることまで話し終えると、先生はその男の前に歩み寄り。


「黙れ。それともスライムと仲良くしたいのかな?」


「ひぃ」


 一層低い声になりつつ、脅す先生。

 よほど嫌だったのだろう。

 首が取れるんではないかと思うぐらい横に首を振る男。

 それを周りは呆れたと言った顔で見ているように見える。


「では、明日から労役に入るが! これから軽く我らが実演する! よく見て覚えるように!」


 先生と入れ違いに騎士団長が前に出ていった。

 それに不満そうな・・・あれは、困惑気味と言うべきかもしれないが、そんな顔で皆が見ている中、団長は気にせず冒険者たち、奴隷たち、そして、最後に商人たちを連れて行った。

 ちなみに、紹介されていた道具は、岩を運ぶ天秤、ようは網と棒に、荷車と木出てきたスコップ、土を均すための鍬・・・平たい板に柄を付けた・・たぶん、グラウンドとか均す道具に、桶のような形の木槌。

 後は少し特殊な土のようだ。

 大きな岩をどけ、小さな石は道の凸凹を埋めるために使い、土を敷き詰め、ならし、叩いて固めた後、水をかけて完成らしい。

 

「では、次するぞ」


 不意にかかった声に私は周りを見渡した。

 そこに居た騎士たちはもう全員出て行っていたようで、そこには、先生にマリアさん、ザラップにギルバさん、リアに、タマに、エアリアが居るだけだった。

 でも、次の意味が分からない。

 何かあったっけ?


「次って?」


「・・・・お前は・・・言ってただろう。補佐役を増やしたいと。どうせ、これからは部下に任せていれば良い。ちょうど、役者はそろっている。だったら、忘れんうちにやっとくべきだろう?」


 ・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・

 はい、忘れてました。

 

「そ、そんな話もしてたねぇ。まぁ、こんな慌ただしく呼び出さずとも良いんでは?」


 呆れたと言う声の先生から視線を外さず、コテッと首をかしげて言うとはぁっとため息をつかれました。

 クッ! 忘れてたことがばれたか?

 

「今だから必要だろう。今でも手に余るんだ。お前が進めている政策は。まずは安全からなのは分かるが、それで今までの生活がガラリッと変わる連中は良い顔はせん。現に殴り込み染みた抗議が来ていると言う話だしな。商業ギルドはエミスが、職人ギルドはブライムとエミールが、少し6階の新しい街をほのめかして伝えて押さえているが、いつまで持つか。あそこの整備も急務と言うわけだ。それ以外にも、部族同士の争いはここでもある。そういったモノをどう宥めすかし、ある程度落ち着かせるかも必要だな。ブツブツブツブツ」


 うん、分かった。

 分かったから。

 そこでブツブツつぶやかないで。

 言われても私にはそんなにわからな?

 あれ?

 ザラップさん?

 それは何ですか?

 なんか、笑顔な気がする。

 手に持った・・・ハタキを振り上げて・・。


 パシーーーン「ぎゃ!」

 

 見た目以上にすごく痛そうでした。

 あの黒いハタキ恐るべし。

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