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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
4章 森の大騒動~さぁ、匙は投げられた!?~【仮】
87/117

60.

さて・・・これはどういう状況だろうか・・・。

警告音に起こされ目覚めれば・・・

私は目の前に出ている警告文に頭が痛くなっていた。

まぁ、書いている事が正しければこれはあれだ。

この森から大型や中型の動物が居なくなっているという事か。

その警告文には熊の数が少なくなってきている事を警告していた。

まぁ、元々頭数が少なかったのだ。


「あぁ・・・・誰かいる?」


『ここに。おはようございます』


ぼそっと声を上げると当然のようにリアがそこに居た。

リアはそのまま窓にかかったカーテンを開く。

外はまだ日が昇ってもない薄明かりが指す時刻だった。

正直寝たいがこの警告を無視するのもいけない。

まずは・・


「先生とここの管理人を呼んできて」


『分かりました。失礼します』


警告は管理人からお願いするとして・・。

まずは今森に誰が居るか、だ。

マップを開く。

そこにはいくつかの点が散らばっているが・・。

蜘蛛族と猪族とは違う何かが来ているようだ。

蜘蛛族、猪族と行動を共にしている数名と別の数名。

別行動している者たちは一丸となって行動している。

蜘蛛族たちに見つからないように・・隠れるように、だ。

先に言うがゴブリンではない。

他の種族のようだ。

人数は10人程度。

数人がバラバラに動き周りを警戒しつつ森の外へ移動しているようである。

で、その手元にかなり多くの獣を抱えているようだ。

・・・取る事は許したが密猟されると気分が悪い。


「どうした?」


「ん・・」


「ん?・・・・ふぅ~・・ライサ。今居る蜘蛛族と猪族は?」


『代表とシャライア様はまだ下でおりますね。ザンダ様はダンジョン外で人と落ち合った後、狩りをしてこちらに戻ると言っておりましたが』


「すぐに代表と族長を呼べ。話をする」


『承知しました』


入ってきた先生に警告文と一緒にマップ、その侵入者が持ち帰ろうとしている荷物の内容を見せる。

それをざっと目を通すと管理人にすぐに命令を出す。


「で、減った動物はどうする?連れてくるか?」


「まずは、地下を増やして、そこに動物全部保護する」


「隔離か。それで良いだろう。それで?」


「その後は後で考える」


「そうか。話は?・・・分かった。俺がしてくる」


黙ってジーーッと見つめるとふぅとため息つきながら先生は出ていった。

それを見送り、私は地下3階を生み出すのだった。



~・~・~・~・~・~・~・~



スライムを使い、転移陣に動物を追い込むことで動物をある程度保護し終える。

今、森に居るのは狩りに来ている人と鳥、虫、蝙蝠とあと追い込みに失敗した動物ぐらいだ。

なぜ、鳥や蝙蝠は保護しないかって?

捕まえるのが大変だからだ。

陣はそれに触れないと使えない。

門はそこを通過することが条件である。

だが、据え型のため、一々切り替えをしないといけないのが面倒なのだ。

それに鳥とかを追い込むなら人が通れるぐらいの広さは必要だ。

その門が密猟者に見つかれば、そこを通って地下の森へ招待しかねない。

まぁ、陣も一回一回消えるようにしているため、かなり痛い出費なんだが。

でも、動物以外が混じる事はまず無い・・はずだ。

ちなみに熊3匹、狐12匹、狸18匹、カモシカ11匹、鹿21匹、猪16匹、あとはリスにネズミなどなどが多数確保できた。

あとは虫が好みそうな木々に虫やネズミぐらいが通れる門をいくつか付けて・・出口に虫が好みそうな花とかを用意して・・。


「外に出た連中との連絡と入ってきた連中の捕縛を頼んできたぞ」


「ん、分かった」


細々した設定をしつつ朝ごはんを食べ始める頃になって・・て、そんなに時間は経ってない。


「それで、どれくらいかかると思う?」


「んあ、あぁ。戻ってくるだけなら、それほどかからんだろ。まぁ、清算もせず持ち出そうとした連中はあれだな。獲物が消えて慌ててるんじゃないか?」


・・・・あ、そうだ。

そうだった。

そういや、そんな設定にしていたのだった。


「忘れてたか?」


「うん。っと・・・お、そろそろ森でそうだね」


「みたいだな」


さっきより気楽に地図を見つつ、私は朝食を取るのだった。



~・~・~・~・~・~・~・~



で、目の前にできた一山に声が出ない。

熊3匹に鹿4匹、狐に狸、兎が多数。

ちなみに蜘蛛族や猪族は数の多い狐、狸を中心として取っているらしい。

大型のは一度取れば、それなりの肉にはなるがこのような狭い場所で狩ればすぐに居なくなることを前に来た時にライサに長い間説教されたらしく今回は鹿2匹と猪1匹だけだそうだ。

で、目の前に居る人達を見る。

それは犬・・・狼?の獣人たちだった。

それが8人、蜘蛛族の糸に巻き取られて猪族に担がれて運ばれてきたのだ。

それとは別に2匹の狼も数匹のシャルの子供たちと一緒にやってきた。

子供と言ってももう成犬である。

力関係はシャルの子供の方が強いらしく連れられてきた2匹はビクビクした感じだ。


「くそ!離せよ!」


「あ!あれ!」「返せ!それは俺たちのもんだ!」


「グルルルッ」「キュン!」「クゥゥン」


「・・へ?・ひっ!あぁあな、あなんあ」


縛り上げられても威勢の良い奴はいる者で・・。

私の前に積みあがっている獲物を見て声を上げるのだが・・。

後から音もなく来た・・どうも子供に呼び出されたらしい・・シャルが機嫌悪く唸る。

その声に2匹は耳までぺたんとさせ、体を低くして。

一番近くにいた少年は振り向いて声がまともに出せなくなっている。

近くの猪族や蜘蛛族も身動き一つしないでいた。

そんな周りを気にせず、シャルは真っすぐ私の下まで歩いて来て・・。

あ、何人かは踏まれたようだ。

それはそうと、彼女は私の周りを一周し。

私はその顔を目で追って・・。

わぷ!お、ふあふあ!・・じゃない!

伏せたと思えば、たぶん長い尻尾で押し倒したのだろう。

私はシャルの腹に座り込む羽目になったのだった。

うん、でもふわふわ・・・気持ちいい。

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