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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
4章 森の大騒動~さぁ、匙は投げられた!?~【仮】
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56.

「まぁ、呆気なかったな」


先生の言葉に私は頷いた。

本当に呆気なかった。

まぁ、大半は恐怖だと思うが、放心状態でその場に座り込んでおり。

一部は恐慌状態で襲い掛かって来て・・叩き伏さる。

そして一番たちの悪いのは逃げ出した連中だ。

長老を含めた数人。

だが、それも飛んできた矢に貫かれ追っていたジルバとギラムスが縛り上げていた。

死んではないのだろう。


「さて、決着ついたけど・・・どうしようか」


別にコアに言われて開いたマップに目を向ける。

そこにはゴブリンたちのいる場所から少し離れている場所に複数マークが付いていた。

そう、狩りに来た数名の猪族と蜘蛛族が運悪く居合わせてしまったのだ。

と言っても、何らか彼らに被害が出たわけではない。

本当に見て・・聞いてしまっただけなのだ。


「話せば分かるでは・・楽観すぎる?」


「じゃろうのぉ」


亀族のエミス爺様の一言に周りも同意するように頷いた。

だとしても、だ。

説明無しに問題無しと突っぱねるわけにもいかない。

見かけただけなら、ゴブリンの内輪もめと言い張る事も出来ただろうが・・。

私の名のもとに実行するとか、今代の巫女とか、私に弓引いたとか・・。

ちょうどレムが宣言したあたりから聞かれているはずだ。

そして・・・逃げ出したゴブリンを射かけたのは、他でもない蜘蛛族だったりする。


「と、悩んでいる時間は無さそうだな。捕虜たちの説明はまた後日主殿から必ずさせる。皆の衆、今日の所は一旦戻ってくれ」


「本当でしょうな。レイオード殿?」


「あぁ、なぁ、主殿?」


「ん?うん。する、する」


何か同意を求められたので生返事を返しつつ、画面を見つめ。

ん?・・・・何?

何か変な空気になった気がして周りを見渡すと、皆の目が集まっていた。

はて?・・・ん?変なこと言ったかな?


「何?」


「い、いやだからな。捕虜に付いてだ」


「あぁ、それね・・て、今しないといけない?」


「後日していただけるのですね?」


「うん。それはするよ。これが終わったら、すぐにでも」


「分かりました。では、今はこの場を離れましょう。皆の衆それで良いか?」


そんなリックスの声と一緒に数人が立ち上がる音がした。

まぁ、この場所が使えるなら・・・。


「リア。彼らを地下の屋敷に案内して。壊したり・・解体しないなら触っても良いよ。で、これからなんだけどさぁ。先生・・・」


ただ単に神殿まで帰って説得するのが面倒だと思ったのだ。

どういうわけか、移動は一瞬なんだが、ちょっと疲れる感覚があったりするからな。

それに、待たされるなら見知った場所で待たされるより、知らない場所で待たされた方が意外と待てるものであろう。

すぐに飽きるかもしれないが・・。

うん、良いことしたと思いつつ、私は今後について頭をひねるのだった。



~・~・~・~・~・~・~・~



「やぁ、お帰り。それと猪族、蜘蛛族、そしてゴブリンの皆さんいらっしゃい。まずはその・・者たちを倉庫へ。それからお風呂沸いているので、どうぞ今日の疲れを癒してからお休みください。ただ、ザームさんとサレイさん、それにゾルドさんと巫女様と付き添いの二人は少々話が」


「ちょ、ちょっと待ってください!叔父貴!少々こちらに」


「わたくしも一緒に話をお聞きしても?」


窓の外から聞こえてくる声に聞き耳を立てこれからどう話すかを考えていると、タマの声を遮るサレイの声と澄んだ女性の声が聞こえてきた。

それに思わず窓の外を覗く。


「えっと、あなたは?」


「失礼しました。わたくし、蜘蛛族の長、シャライアと申します。少々お願いの儀があり、図々しくも共に来た次第。ですが、途中あの小生意気な豆つ・・いえ、草小人達の小競り合いの折、聞き捨てならない事を叫んでおりましたので・・その事で話をしたく」


「そうでしたか。にて、そちらは?」


「我は猪族、イ家の長老補佐、ザンダと申す。のちの話をしたいがため、参った次第。よろしければ我も同席させていただきたい」


そこに居るのは前に見た蜘蛛族の偉そうだった女性・・スライアだったか・・を一回り大きくして少々年を取って大人の色香を纏った人と厳つい威圧感のある猪族の人だった。

ただ、来るのを拒むと何か話がこじれそうな気がプンプンする・・。

と言うか、狩りつくす気ではないだろうな・・・。

そんな変な心配をするほど強そうに見える二人だ。

ちなみに来た人数は前に来た時より目に見えて少ない。


『問題なりそうだから連れて行くね。リナちゃん良い?』


「『良くないっ・・て、言っても連れてくるでしょうが。通して』」


コアに触れつつ、つぶやく。

それが頭に響くように二重に聞こえ、は~いとタマの返事が。


「分かりました。では、付いて来て下さい。あ、お二人も来てください」


ニコッと笑っているだろうな。

タマはホッとしていた二人、サレイとザームに声をかけ、全員をここへと連れてくるのだった。

あぁ、ホントめんどいなぁ。もう。

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