とある冒険者の話 4.
そこにはこういう書き出しで始まっていた。
<登場人物 主役と準主役>
・・・真面目に書かれてる?
あぁっと続きは・・・。
ルトヴァー・サヴィル
男
戦士系職業
亡国サヴィル王家・四男
性格
口は悪いが、面倒見は良い
押し切られたら断ることができない
お人好しだと考えられる
家族
両親親族共に生存不明
9人兄弟
兄三人、姉一人、弟二人、妹二人
備考
弟二人は貴族に養子縁組する予定、姉妹は隣国に嫁ぐ予定であった
それにより国内と国同士のつながりを作る予定だったと考えられる
彼自身は兄3人に何かある事を想定され、王家で暮らしていた
一通りの王家にとっての一般常識は叩きこまれている
ただし、期待されていたわけではないため、城外に出て活動していても許されていた
そのためか、城外の子供たちと過ごすことが多く言葉遣いが乱暴な下町言葉になったと考えられる
他者の話から
下町の孤児をまとめ上げ、近くの農家の手伝い、害獣退治など、を行っていた
そのため、下町では兄三人よりも人気があったらしい
エリカは下町で盗みをしていたところを捕まえられ彼に助けてもらった
害獣である野犬退治の折、森深くまで追ってしまい、迷子になり、ガストンの父親に助けてもらう
その折、止めてもらった縁でガストンともかかわりを持っていく
ザラックとは、六歳の折、城内であった貴族の社交会で出会う(一番最初)
この時から時折持ってくるザラックの無茶ぶりに振り回される
物語の最初予定
ザラック出会いから
ザラックの無茶ぶりで山奥の角熊(名の通り角のある熊)を退治することになったあたり(王国最後の日から)
まぁ、聞いた話を書きつけたらこうなった・・・か?
それにしては何か纏まり過ぎているような・・・。
これが一枚目と・・・次は?
ザラック・バラッド
男
魔法系吟遊詩人
バラッド領の領主の次男
性格
自己中心的な性格をしている
こうと決めたら突っ走る傾向あり
周りを振り回している自覚有
家族
両親親族共に生存不明
年の離れた兄が1人
備考
どういうきっかけか忘れたらしいが、ある日、世界の物事を見聞きし広めている吟遊詩人に憧れたらしい
城下で暮らすようになったある日、城であった社交会でルトヴァーと出会う
年近いルトヴァーに心惹かれ、それ以降、行動を共に?するようになる
(大概の貴族の子供は王になる可能性の高い第一、第二、まだ話しかけやすい第三王子に声をかけていたらしい)
下町に吟遊詩人の話を聞きにルトヴァーと繰り出した際、盗みに入る孤児たちを発見、追跡、撃退する(主にルトヴィーが)
この時にエリカと出会う
盗みをした店に謝り金額を払った後、なんとなくその場で即興の歌を披露
最後に哀愁たっぷりに食べるための仕事を彼らが覚えれば、こんなことも無くなるだろうと歌えば感動した?露天商(自家農園からの直送)の人が君たちの監視付きで手伝ってくれるなら食べ物をくれると約束
その日から数週間、彼らは孤児たちと行動を共にし、働くことや色々な常識らしきことを教えていく
他者の話から
あっちで珍しいことがあると聞けば、ルトヴァーを引っ張りだし、こっちで奇妙な生き物が出たといえば、困っているだろうとルトヴァーをそそのかして連れだしていていたらしい
他二人も同様だったようだ
傭兵家業をしていた時はパーティーの頭脳として交渉などを担当していた
トラブルメーカーと言うよりはトラブルサーチャーという印象である
文章力は平平凡凡のようだが、語りが絶妙であると思う
・・・・・あぁ
そうだな・・・。
こんな感じだな・・・。
次だ、次!
次は・・・一枚に二人分がかかれているようだ。
エレナ
女
斥候 (サーチャー)
何でも屋
性格
下町の孤児と言う話だが素直に物事をとらえる傾向あり
明るい
愛嬌のある親しみやすい性格だと思われる
女としてではなく妹のように扱われている節がある
家族
両親は死亡
親戚と折り合いが付けず飛び出して孤児となる
生活を共にしていた孤児たちの生存不明
数名は傭兵家業をしており、元気にしていると思っている
備考
素早さを武器に諜報活動や偵察、囮までしていたらしい
ガストン・サルーバ
男
狩人 (アーチャー)
サルーバの森の狩人
家族
両親は死亡
親類は無し
性格
無口、寡黙
ただ周りが一番見えている感あり
ボーっとしている印象を持つ
天然傾向あり
備考
詳細は省くがルトヴァーと関わった後、森に行くときは必ず行動を共にするようになる
独り立ちした際にルトヴァーの仲間となる
・・・・・・・・・・
ガストンの扱いひどいな・・・。
まぁ、あんだけぽつぽつと話すだけならなぁ・・・。
と、まだ数枚あるな・・。
こっちは・・・
外見的特徴
ルトヴァー
明るい茶髪
目は茶色い
白い肌
がっしりとした体をしている
(漁師と言われても頷けるほど)
目つきは悪い(三白眼)
ザラック
明るい紫の髪
(先天的マナ保有量が多い人特有の変色が見られる)
目は青い
白い肌
すらっとしているが、それなりに締まった体をしている
たれ目
いつも微笑みを称えている
エリカ
金に近い茶色
目は青い
白い肌
中肉中背?
この中では一番背が低い
目がぱっちりしている
ガストン
黒に近い茶色
黒と見間違えるぐらい
前髪の一部が緑に見えるぐらい変色している
(後天的マナ保有量が多い人特有の変色が見られる)
目もこげ茶色
ほっそりとした体をしている
しなやかな動きをする
計四枚
それぞれが全体像といくつかの角度の似顔絵が書かれ。
そこから線が引かれて殴り書かれている。
その絵はかなり綺麗に書かれていてよくここまで似せてと感心するほどであった。
あとは・・
『どうですか?私の書いたモノは』
不意にかかった声に俺は慌てて机にそれを置き、振り返る。
そこにはリアーナがスクッと立っていたのだ。
周りを見渡したら、他の連中の目と出会う。
どうやら驚いているようだ。
てことは、気が付かな・・
「あ・・あぁ・・良く書けてるんじゃないか?」
『それは良かった。では、皆さま、お食事の用意ができましたのでこちらに来てください』
ニコッと笑うと全員に見える角度に体を直し、扉の方へ手を上げそのまま出ていく。
それに続く仲間たちを見送りつつ、俺は最後の一枚、その最後に目を向けた。
そこにはこう書かれていた。
英雄談の主人公に最適である
・・・・・・なんか寒気がするんだが・・・・大丈夫だろうか?




