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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
3章 疲労困憊!?~面倒事いらっしゃーーい!~【仮】
60/117

47.

「というわけだ」


基本、ダンジョン内部については先生が一番詳しいらしく、終始先生が説明してくれた。

大まかに区分けすると


一階から三階までが一般的な洞窟ダンジョン。


四階と五階が遺跡ダンジョン。


六階が遺跡ダンジョンでの警備兵たちの居住区画と最終防衛ライン。


七階から十六階までが外と繋がった農耕地区と一般居住区となっている。


ちなみに七、八階が外の三階、九から十一階までが外の二階。

十二から十五階までが一階と繋がっているという事だ。

十六階はどこかって言えば海に直接繋がっている。

水中で生きる亜人たち用の出入り口と言うわけである。

と言うか十六階が水中特化した人たち用のエリアと言う話だ。


あとは難民たちを受け入れるために増設した十七、十八階。


それと最下層となっているここの階。


これがこの神殿の内部なのだそうだ。

それで今は十二階までは封鎖されていると言う話である。

さて、六階と言う莫大な土地が失われたとこで生じる問題と言えば。


「で、だ。ここで問題になってくるのが土地問題だ」


ん?

土地?


『レイオード様。ここからは私が』


「ん?あぁ、そうだな」


私の頭がこんがらがっている間に先生からザラップに教師の座が渡されたようだ。


『さて、まずお伝えしておくことがあります。10階と11階が使えなくなったのはここ100年の話だという事です』


・・・・はい?

100ねん?

ザラップの言葉に唖然としながら聞く。

横目で周りを見るとここの常識なのか、ダンジョンの住人たちはうなずいている。

その様子を見て、ザラップはここ400年間にあったこのダンジョンの話をし始めたのだった。

地理の次は歴史の授業かぁ・・・。

はぁ・・・。



~・~・~・~・~・~・~・~



よ、ようやく終わった・・・・。

窓の外は日が落ちてずいぶんと暗い。

魔法の明かりがついてから少し経った頃だ。

ちなみに先生もジルバさんもマリアさんもそれぞれのやる事があるという事で途中退場していたりする。

ついでにエアリアとタマもこっそりと先生の後を追うように出て行っていた。


『お疲れ様です・・・それでは失礼します』


突っ伏してた体を何とか起こし、声のした方を見ると、そこにはお盆を持ったマリアさんが立っていた。

お盆の上には夕食だろうスープとパンが乗っていた。

それを私の前にスーッと置くとすぐに出ていく。

まぁ、止める必要もないのでそのまま食事に取り掛かり、ザラップの講義を思い返した。


400年前ぐらいにダンジョンマスターが雲隠れする。

その直後からエアリアが引きこもりに。


380年前あたりで外部からの襲撃が相次ぐ。

この頃から魔素がDPに変換されなくなっていた。


300年前から一階二階が魔素濃度が高くなり、出入り禁止に。


260年前には六階まで封鎖となり、この頃から移住が開始される。


220年ぐらいには七階の魔素濃度が危険値に達し始め、狂暴化した動物が現れ始める。

八階も濃度が上がり始める。

その二層は畜産用の土地だったので、種の保存のためと言う名目で生息している野生動物たちを含む種を数十匹ずつだけ十七階に移送させる。


140年頃に八階が封鎖。九階も徐々に濃度が濃くなり始める。

これまた種の保存と言う名目で十一階までの植物を十八階に移植する。

ちなみにこの三階層は山菜、野菜や果実中心に育てていたらしい。


100年前に九階も封鎖となる。

この頃から食糧事情が一時期悪くなったが、外交を開始することで食糧事情を何とかしたらしい。

食糧事情の良い国に特産物を渡して食糧を調達したわけである。

ここで問題になるのが特産物という物である。

端的に言えばモンスターから取れる素材の事である。

皮や毛、骨といった物を差すらしい。

そして肉はそのまま食糧として活用されている、とのこと。


そして、現在十一階封鎖に十二階の撤退開始し始めている所だったらしい。

ここで注意されたことは、この封鎖と言うのは一般人を締め出すと言う意味合いだという事だ。

ジゼンたちの様な魔素耐性が高い人たちはその中での活動を許されており、一般人でもそういう人たちは狩人として行き来は許されているのだと言う。

そして、魔素が濃ければ濃いほど強く狂暴でそれに合わせて良質な素材のモンスターが出るのだ。

そんでもって今現在の難民・・じゃなくて避難民たちの半数以上はそっちで生計を立てている。

ここでさっきの土地問題に話は戻ったりする。

つまり、土地を400年前のように戻すか、このままにするかと言う話なのだ。

権力者の中でも二分するらしい。

まぁ、食糧事情を外の国に握られるのは正直怖い。

もし輸出禁止などの処置がとられたりしたら問題が発生するに決まっているのだ。

できるだけ食料をこのダンジョンで賄いたいと思うのも分かる。

だが、それで今発展している特産品をすべてやめろとも言えない状況なのだ。

それこそ暴動が起きるのが目に浮かぶ。


『お嬢様。どうぞ』


食事を終え、すぐに横手から聞こえてきた声に慌ててそちらを向く。

そこにはお茶セットが乗った盆から皿に乗ったお茶の入ったカップを出してくるマリアさんが居た。

いつの間に戻ってきたのかと思いつつそれに口を付け。


ふぁわぁ・・・・


・・・・眠い。

うん、こんな状態で考え事なんて良い案なわけがない!

という事で早々に考えるのをやめ、寝に行くのだった。

さて、ここの寝室ってどんなんだろうなぁw



~・~・~・~・~・~・~・~



『おはようございます!お嬢様!朝ですよぉ!』


元気な死人だ。

弾んだ声に目を開ける。

が、・・・やだ、出たくない。

マットは硬すぎず柔らかすぎず、適度な弾力を持っている。

布団はふかふか。

枕は低いが体が沈むマットのおかげかそれこそ最適の高さになっていて・・・。

このまま二度寝したい。


『お嬢様!ほら起きて』


体を揺するメイドには悪いがこのまま寝ると決めて布団をかぶりなおす。


『仕方ないなぁ。そぉれ!』


「のぉ!!」


無情の布団剥がしにあいました・・・。

うぅぅ・・・・もっと寝たかった・・・・。

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