表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
3章 疲労困憊!?~面倒事いらっしゃーーい!~【仮】
51/117

39.

「で、どうする気だ?」



地上の家に着いてすぐ先生に声をかけられる。

それに振り返り真下の転移門に目を向けた。

クマノヒコとその他の人たちの先ほどまでの怒気を含んだ言い争いの声を思い出し、ため息をつく。

顔を上げ先生を見ればどう見たって怒っていますと言った怖い顔をしているのだ。

こちらもかなり怒っているようだ。

それから目をそらし扉に向かいながら画面を起動した。



「どうと言われてもねぇ。できるなら彼らを引き入れるのも良いかなっと思っただけだけどさ」

「・・・」

「だって、今だってよ。ゴブリンに肩入れした見方じゃないか」

「そうだな」

「もし、ここで私がその延長線で自分の村をゴブリン中心でまとめれば?」

「不満が出るな」

「でしょ?ならねぇ・・いっそう外からのどの種族でもない人を据えれば・・ねぇ」

「ある程度は緩和するという気か」

「・・・・それも無理あるか・・・」

「受け入れるとは思わんがなぁ」

「とはいえ・・・だよ。私も先生もここに居る者たちをまとめて置ける技量もカリスマも持ち合わせてないと思うんだよ」

「まぁな・・・それで?」

「そこでだ。そっちの補佐できそうな人を呼ぼうと思ってる。あとついでにこの人も」



食堂にたどり着き用意していた昼食を前に話をして。

そう言って、今さっき出していた画面の情報を印刷した皮紙を渡す。

そこには二人の情報がかかれていた。

それは先生と一緒に表示されていた人物たちだ。

今更だが当初の検索で三人だけと言うのもおかしい。

本当なら誰も引っかからない方が自然のはずの質問だ。

逆にもっと引っかかっても良い気もするが。

そして、こうもほしい能力を持った人たちが出てくるのもおかしい。

言ってしまえば、某モンスター育成RPGゲームの開始時に三匹のモンスターからパートナーを選んでくださいみたいな設定のような気がしてきた。

まぁ、今はこれも良いだろう。

結果から言えばどれもかれも今はほしいのだから。

政治的な能力のある人と森についてはそれなりに知識のある人。

今この森に必要じゃないかと私が求めている人たちなのだ。



「それで、召喚コストは考えているのか?」

「ふふふのふ!それは大丈夫!これがあるから!」



そう言いつつ先生の目の前に具現化した二枚のチケット突きつける。

それは先生を呼んだ指定召喚券である。

あと一枚あるがそれは後々何かあった時の保険だ。

いやぁ、地下洞窟ダンジョン作ってよかった!

クエスト報酬でまた手に入るとは思ってなかったしね。



「指定券か・・問題はないな・・だが、契約するとは限らんぞ?」

「あ、そこの交渉は先生にまかせるつもりだけど?」

「はぁ?」

「だって、私がするよりは効率は良さそうじゃん」

『旦那様が交渉ですか?・・・少々お薦めできないと思いますが・・』



不意にかかった声に私は振り返る。

そこにはマリアさんとザラップさんが立っていた。

今来たようだ。



「なんで?」

『旦那様はどうもあのクマノヒコ殿と同じ気質のように思われますので』

「・・・そうか?」

『はい。ですので、必ず纏めないといけない商談などはザラップだけで行っていたのです』

「・・今回もそうした方が良い・・か・・」

『はい』

「じゃ、先生は真ん中に座って」

『私かメイドの誰かを控えさせ』

『それでは僭越ながらわたくしが交渉をいたしましょう』



『それよりも』とマリアさんが笑顔で私の目の前を指差す。

・・さっさと食べろという事だろう。

無言の笑顔でそばに立つマリアさんに私は笑顔を返し目の前のご飯を胃に流し込んだのだった。



~・~・~・~・~・~・~・~



「で、この山は?」



見れば分かる事をなんとなく先生に問う。

家の庭先にできた大きな袋の山。

それは魔水晶の入った袋の山だという事は分かっている。

だが、それが家の庭全体にそれも一階の屋根に届きそうな高さまで積みあがっているのだ。

聞きたくもなるという物だろ。



「あぁ、ある物を全て運び入れろとなぁ指示してたんだが・・こんなにあったんだな」

『これも第九保管庫の総数であってダンジョン内全てのではありませんが』

「・・・第九?」

『はい、第九です。それとお礼を言わせていただきたい。お嬢様が戻して下さった魔水晶のおかげで数か月中には数層は元通りになりそうです。差し当たって不要になった魔水晶についてご相談があるのですが』

「あ、そうそうこっちもそれについて話したかったんだ」

「ん?あぁ、対策か」

「そ、対策。で、どう使える?」

『この数ですから。一度抜いてもらってから点検と言う話になり・・。分けるにしてもどこまで分けるかでもめてまして』

「ふ・・ふぅん」



もう一度山を見る。

一袋10個入っていた。

前の時で二階の書庫が埋まって40袋だったか。

今回はそれの約7倍ぐらいと見て良いだろう。

正確には分からないがそうなると約2800個ぐらいか。

もしかしたらそれ以上!

ずいぶんと貯金でき・・・タ・・・・・・・ぁ?



「ち、ちなみに前のを繰り返し使ってだ・・・次の倉庫まで行くのにどれくらいかかる?」

『そうですね。前回の物で10個は破棄寸前でした。それ以外は生活区中心に交換。余ったものと生活区で使っていた物で今危険区と指定している10層と9層の整備をしているところですから・・。人が行って帰ってくるまでなら2か月かからずに安全第一とするなら一番早くて一年はかかるでしょうか』

「もっと短くはできないんだ。コア回収」

『了解しました。魔素の回収を開始します。対象に触れてください』

『はい、急速な変化は支障をきたしますので。それに狂暴化したモノの事も考えなければなりませんので』

「そう・・ねぇ、今更だけどさぁ、なんで先生とこのコアは機能停止したのさ」



今更と言えば今更な言葉に先生とザラップは目を合わせた。

だが、口を開こうとはしない。

話辛いことなのか、それとも当たり前のことを聞かれて呆れてるのか。



「言わなかったか?ダンジョンマスターが居なくなったからなんだが・・・」

「・・・ん?・・・・・・あ・・っと、あぁ!そんなこと言ってた気がする・・」

「まぁ、あいつが自分でミラエアを捨てたのか、それともあいつが死んだのかは分からんがな」

「・・・・・えっと・・それってどういう意味?」

「そのダンジョン全てをダンジョンボスかダンジョンコアに委ねたって意味でしょ?それにしてもすごいねぇ。この量買ったの?」



コアのそのまま待ての声を聞きつつ思ったことを質問する。

それに答えたのは別の声だ。

声の方を見ればタマが家から出て来たところだ。

その姿を見てふと思った。

確かミラエアと言うコアはタマみたいにしゃべると聞いた。

なら人格があるという事だ。



「ねぇ、そのミラエアってどんな人?」



何気なく問いかけた言葉にその人格を知っているだろう二人は盛大に視線をずらすのだった。

いや、何!?その反応!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ