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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
閑話 調査隊・ジゼンの数日間
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1

2015/10/16

 一か所時間経過がおかしかったので修正しました。

今日も月がきれいだな。

そんな事を考えながらジゼンは二日前からの事を思い出していた。


二日前の朝。

ジゼン達はこのミラエア神殿の居住区である第15層入口付近にある特殊部隊の詰め所で衝撃的な話を聞かされていた。


新しいダンジョンマスターが現れたこと。


レイオードの旦那とある条件のもと、その軍門に下ったこと。


またマリア様、ギルバさんもその人のもとに行ったこと。


旦那たちは別の目的で動いていること。


そのためにはもっと信頼される必要があるため献上品を持っていくことになったこと。


その場にいる者たちの反応は様々だった。

事を重大だと考えているのは長寿種族と呼ばれる種族たちだ。

魔素があれば生きられる種族や巨大ゆえに長寿である種族。

中には魔素の影響で長く生きながらえている人々も真っ青な顔でざわついている。

中には失神する人もいた。

ダンジョンマスターが現れたことがそんなに大変な事なのだろう。

とはいえ、ほとんどの人は何のことかわからず呆然とザラップ様の話を聞いていた。

ジゼンもその一人だ。

呆然とザラップ様を見上げながら、そういや、数日前旦那を見なかったかとギルバさんに聞かれてからギルバさんには会っていないなっと思い出す。



「ここまでの話は今はまだ他言無用でお願いします。そして、今日は皆様にいつもとは別の仕事をお願いしにまいりました」



手を一回たたき、その音に皆が鎮まるまで待つとザラップ様は本題へと話を進めたのだった。



~・~・~・~・~・~・~・~



仕事というのは魔素を限界ギリギリまで取り込んだ魔水晶の運搬であった。

それならば普通の人でもと思うかもしれない。

だが、許容量ギリギリではなく限界ギリギリという処がみそである。

元来、魔水晶は許容量を少しオーバーしても設定以上の魔素が漏れることはない。

だが、長年繰り返し、それも許容量をかなりオーバーして限界ギリギリで使っていれば話は別である。

設定よりも多くの魔素を放出しだす物も出てくるのだ。

軽い衝撃で漏れ出す事もある。

近くに居るだけで魔素耐性が高くない者はその魔素が中って具合が悪くなることもあるのだ。

外では瘴気に中てられるというらしい。

なので、魔水晶は一つの部署で扱うことになっていた。

それぞれの階層に設置してある魔水晶の点検、回収、設置そして、保管を一手に引き受けている魔水晶取扱部隊、それがジゼンたちの所属している部隊である。


部隊の話はここまでにして、今回の仕事はかなり危険な事であった。

運び先が人が暮らせるギリギリの階層である12層であることだ。

先ほども言ったが想定以上に使い込んである魔水晶は少しの衝撃で漏れ出す危険性があるのだ。

何かのはずみで全ての魔素を放出なんてことになれば一気に12層から14層ぐらいまで人の立ち入りを禁止しないといけなくなってしまう。

そして、その持ち出しをすると決まった保管場所も少々問題であった。

今管理できている最上層である9層にある保管庫に行かなくてはならないのだ。

一応、保管庫は10層にもあるが9層を放棄するという決定の出た数か月前に設置された物であり、保管している物は全くないに等しい。

よってそれなりに確保したいと言うならば9層へと上がらなければならない。

とはいえ、放棄するほど魔素が溜まった場所であるため、隊員であっても危険な場所となっている。

その上、逃がし遅れた生き物たちが魔素の影響で変異して襲ってくる可能性が高い。

無事に着き、ある程度魔水晶を確保し、安全に指定の場所まで運ぶ。

言葉でいうのは容易いが行動に起こすと厄介な仕事である。

隊員をいったん外に出し、隊長たちのみであーだ、こーだ、といくつかのプランを出し、検討すること数時間。

そろそろ昼に差し掛かろうかという頃だった。

議論しているテーブルの真ん中にバラッと転がってきた物にまたもや部屋全体が静かになった。

それは新しい魔水晶であった。

それも5つである。

今までなら月に1つ新品が届くか届かないかの物を5つまとめて出されたことにいろいろ思う所があり、取り出した人を見てほとんどの隊員はその場で動かなくなっていた。

そこに居るのは月に一度は見る若いレイオード様であった。

月に一度魔力の回復に伴って若返ることはこの神殿にいる者なら誰でも知っている。

そして、先日、新しい魔水晶を手に入れたために老いた姿になっていたこともだ。

こんなに早く回復するわけはない。

そんな隊長たちの様子に彼は苦笑すると


今回与えた物と一緒に使ってくれ。

明日には献上したいのでできるだけ早くこの保管箱に入るだけ持ち出してほしい。

差し当たって必要になるだろう魔素封じの袋と保管箱、それの運搬用の荷台を出してある。

頼んだぞ。


といった内容の事を言って、レイオード様は口を挟む暇なくすぐに出て行ってしまった。

慌てて置いて行った真新しい物を手分けして全て確認し、総隊長はすぐさま行えるプランの一つを実行することに決めたのだった。



~・~・~・~・~・~・~・~



そこからはスムーズに事は進んでいった。

魔素によって変異した生き物はその濃度が極端に低い場所には近づかない習性があるため、真新しい魔水晶で自分たちを中心に5mの範囲を指定してそれなりの濃度に設定し移動する。

真新しい荷台なので途中で壊れる事も無く無事に保管庫に到着。

そのまま搬出作業をして、一つの魔水晶が許容量いっぱいになる頃には保管箱もいっぱいになる。

そこから急ぎつつ慎重に運んでいき・・これまたもう一つの魔水晶が許容量ギリギリになる頃にやっと12層にたどり着くことができたのだ。

そこから先は次の日の早朝からという事でこの日は解散したのだ。


そして、次の日の朝、ジゼンたちはこれまた衝撃的な人物を見ることになるのだった。



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