25.家の外も中も・・・-1-
遅くなってすみません。
そして、文章力がなくて本当にすみません。
夏だし、やっぱり定番の恐怖体験をしてみようと書き出したのはいいけど・・・
さ、恐怖のない恐怖体験。
あなたはどこまで想像で恐怖できますか?
帰り着いたのは日が暮れてしばらくした頃だった。
それにしても魔法とは便利なのか不便なのか分からないものである。
先生が帰り道の途中使ってくれた魔法を見、話を聞いてつくづくそう思った。
先生が使ったのは〔灯〕と呼ばれる魔法である。足元を照らすために使ったそれは私の中にある魔法とかなりかけ離れたものに見えたのだ。お札を取り出してスライムの頭に貼り、そこに手をかざすとスライムの頭から数センチ浮いたところに光の玉が現れる・・・何というか物語の中での陰陽師や隣の国の道士を彷彿させる物であったのだ。
そして次々と灯った光は幻想的な世界・・・ではあるが、何というか今から怪談話をしようとしている空間の雰囲気が少し漂っていたが、おおむね順調に家に帰り着いた。そう、順調に帰り着いたのだ。
途中明かりとなったスライムが浮き上がりどこかに飛んでいったり、急に明かりがフッと消えたり、人の笑い声のような声が聞こえてきたり、すごい羽音と共に蛾のような巨大な昆虫に襲われたりしたが順調に帰り着いたのだ。
着いてすぐにスライム以外全員居るのを確認した後、話は明日という事で、真っ青な顔をした連れたちに便所やお風呂の使い方を説明する。まぁ、説明するのはタマとマリアさんだが。説明を押し付けてから何もする気になれない。だから身支度してからすぐにベッドに潜り込む。汚いのは分かってるが・・・どうも風呂に入る気にはなれなかった。お腹がご飯ちょうだいと騒ぎ出すがそれも無視して夢の中へと飛び込んでいったのだった。
~・~・~・~・~・~・~・~
『おはようございます』
「ん、おはよぉ」
寝付けなかったのでかなりくらくらするが起きたので仕方なく体を起こす。起こしてからすぐに思ったのはちょっと暗いなという事だった。しかしすぐにいつの間にか閉じられていたカーテンが開き明るくになってから声がかかる。なるほどカーテンが閉まっていたのか・・・あ、れ?誰が開けたんだろう?あそこに人なんかいたっけな?てか誰だ?今声をかけ・・・・ボフ
夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ!夢だ!夢だ!ゆ、め、だ!だから起きるんだ!
『え?あ、あの、お嬢様?』
『リア!ここで何しているのですか!』
『え?我らが主に挨拶するために・・』
『ならばまずは私か旦那様にこの館の規則を聞いてからにしなさい!大体あなたは、いえそれよりもまずは姿を現しなさい!』
『は、はい!メイド長!』
シバシバする目を擦りながら見渡してからそこに居る相手を見てもう一度布団をかぶり、私はまた眠ろうとする。そう、するんである。つまりこれが夢ではなく現実であると認識はしている。だが、そこに体が透け、目が黒い空洞になっていたりする者を・・・を?怒った声のマリアさんの声がする・・。
「マリアさん?」
『すみません、お嬢様。躾のなってない者がご迷惑をお掛けしたようです。』
顔を出すとそこには存在感が増したメイド服の少女とマリアさんが頭を下げて謝ってきた。・・・そうか少女もあれだ。そう理解するとさっきまでドギマギしていた心も収まってくる。・・・それっていいのか?と思うが恐怖感はスッと消えていくのだから仕方ない。
「えっと?誰?」
『私の部下であり、ミラエア神殿ダンジョンの者です。このたび旦那様の用事を頼みまして、その使いとして来たようなのですが、まずはマスターにご挨拶するのが礼儀とここへ来たようです。本来ならば私が連れてご挨拶をさせるべきでしたのに。リア、ご挨拶を』
『リアと申します。お見知りおきいただけると光栄です』
「ん、リアね。ここでの生活するときの注意点は先生かマリアさんに聞いて、と今日は」
『先生?』
『リア黙りなさい。お嬢様、こちらに』
「ん?ありがとう。あ、風呂に入ってからご飯にするから。あ、そうそう来た人たちは?」
『もう起きてそれぞれの思うままにこの屋敷で過ごしておりますが』
「そう、食事は出した?」
『これから出すつもりです』
「そう、よろしく。あ、入口の壁にこれ飾っておいてくれる?それと伝言して」
『分かりました。それで伝言とは何でしょうか?』
「取り過ぎ、狩りすぎに気を付けるなら狩りに行っても良いって。ただし、採ってきた物は必ずこの屋敷の前に持ってくる事。日が頭上に来たら戻ってくる事って昨日来た人たちに伝言して」
『承知しました。リアこれを。失礼いたします』
変に冴えた頭で相手の名前を覚え、今日の服とベッドを出ようとしたら服が横から出されてくる。昨日脱いだ椅子の上に置いておいた服を素早く拾い、リアに渡して出ていくマリアさんをすごいなぁと思い、こんな生活ができる私って贅沢だねぇと思いつつ、風呂へと足を向けるのだった。
~・~・~・~・~・~・~・~
食堂の中、重苦しい空気を感じたのかその場に居る誰もが黙っていた。その中で最後にマリアさんがその場に現れ、他には誰も居ないと告げた。それに私はもう一度その場にいる者を見渡し頭を抱える。正直聞きたくないと耳を押さえるがその場に居る人の身じろぎひとつで出てくる音を遮断するほどの効果も無かった。彼らはなぜ呼ばれたかも分かっていないようだ。言われた通りしていたのだと言い張るだろう。正直顔をあげるのもいやであるが仕方がない。
「さて、先生・・・昨日の事は後で聞くとして、まずはここがホラーハウスになっている事について何か言う事はある?」
「は?何を言ってる?」
〈バン〉
「・・へぇ?この状況でそれを言うの。・・・何を言うじゃないの!何をじゃ!心臓に悪いのよ!突然出てくるのも何かが落ちたり転がってくるのも!見たことない不審者が顔上げたらいるのもさ!!」
涙目になりながら頭を抱えるように耳を押さえていた手でバンと机を叩く。それにギョッとした顔で見る先生を見つけその後ろで困った顔をしている他の人たちを睨む。
まぁ、本当なら聞く順番逆なのは私もわかっているんだ。でも、朝の事から始まってご飯を食べ終わるまでに起こった事を思い出すとこっちが先に聞きたくなるのである。目が覚めたとはいえ重怠い体を引きずりながら廊下に出たら何かが歩いてくる。顔を上げるのもつらくて横によけたらカタカタという音と一緒に感謝の言葉が飛んできた。何の音かと顔を上げ後ろを向けばそこにはきっちりとした服を着た骨歩いていくのだった。そのままフリーズしていたがまぁ、先生の知り合いならあり得ると頭を切り替えお風呂へ。脱衣所で脱いでると風呂場から水音がしてきて、何事とそっちを向くとスーッと扉をすり抜けてくる別のゴーストメイドさんだったり、それ以上何事もなくお風呂から出れたと思って廊下側の扉を開けたら扉が何かにぶつかってぶつかったものが落しただろう転がってきた物を拾うとそれは人の頭であったり、それを投げて食堂に行こうと走り出したら足をつかまれ転びそうになって、何だろうってドキドキハラハラしながら見たくないけど見ないととつかまれている足首を見たらその先には手だけしかなかったり、すみません。すべて拾ってくれます?って声がしてそちらを見たらばらばらの体をした人が首のない人の上に倒れてたり、その下の人がジタバタしてたりと。恐怖で焦ってこけそうになりながら食堂に行ってマリアさんに話したら、『あぁ、彼らですか。』と言いつつ『朝食用意しましたので少しずつ無理にでも食べてください』と言って持ち上げられて椅子に座らされるし。頭が何も考えられず、いわれるがままに食べ始めたときに顔を出して、「あ、こっちじゃないんですね」と言って顔を引っ込める獣人の不審者とか。思い出しただけでも涙が出る。いや、害意がない上にフレンドリー?な感じな分、恐怖は薄くなったがやはり怖いものは怖いのだ。
「わ、悪かった。悪かったからな」
「うん。で?何が悪いと思ってるの?」
「おぅ、え・・・えっと」
『事前に話されなかったこと。または先に紹介しなかったあたりでしょう』
「あぁ、そう、そうだな」
「・・・・で?あなたたちは誰?なんで呼ばれたの?」
「え?おい」
「答えなさい」
『承知しました。お嬢様』
「おい!ザラップ!?」
怒った調子で睨み上げるように見上げながら聞く。しどろもどろになった先生の代わりに答えたのは骨だ。他に小脇に頭を抱えているお兄さんにゴーストメイド数人。その中には今朝紹介されたリアもいる。あとは一見普通の人に見える包帯を巻いた顔色の悪いお兄さんそして、ゴブリン、獣人といった人が数名、その後ろに段になって立っていた。私の後ろにはタマとマリアさんが控えていた。それにしても先生は使えない。ダメ先生だったと思いつつ、後ろの骨に声をかける。私も骨も抗議の声をあげる先生を無視して話を進めるのだった。




