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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
2章 森の中を東行西走!~森の異常の原因はどこにある?~
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19.さ、お出かけしましょ!-2-

「あ、お嬢!これがここいらで採れたもんです」


昼も終わり、手持無沙汰になったのでマリアに頼み、レムを下ろしてもらって、店先で必要な物をそろえていることに、やっとギルバさん達が帰ってきた。入ってきて開口一番に採れた物を入れるよう渡していた麻袋を返してくる。かなり多くの物をごっちゃに入れているようでパンパンに膨れ、絞って締めているはずの口から何か小動物の足やら葉っぱがはみ出している。


あ、足が・・いや、袋が時折動くってことは・・・・・一緒に入れるのどうだろう?まぁ、考えても仕方ない。うん、次からは手さげの檻でも渡してその中に入れてもらおう。


笑顔で手を出し、麻袋を受け取って


「あぁ、ありがとう」


~ピロリロリン~

【クエストクリア】


うん?はい?・・これで、良いの?


慌ててクエスト画面を確認するとやはり採取のクエストが点滅している。

それとは別にいくつかの新クエストも同時に点滅していた。


えぇと・・なになに?

【植物採取】と【動物捕獲】もクリア・・・。

報酬は・・植物分布マップと動物分布マップとな。

あ、注釈に部下による手柄でも可、ってある。

それは良いとしてプレゼント!ってマップは便利そうだしすぐに!

・・え?あれ?無い・・下の方にある・・・わけじゃないみたいだし

項目で何か追加されてることは・・無い。

という事はもうマップに反映されてる?

なら早速!・・・・って、なんも表示ない・・・ま、まさか!どこかに消えた!?

こ、こ、こ、こういう時は・・あ、ヘルプ!が光ってる!

うん、新しくヘルプがある!

ヘルプ:分布マップと、

なになに?


マップ所有者自身で採取または捕獲した場合のみ表示されます。また、育てた物であっても自身で採取、捕縛すればその条件に合致し表示されます。さらに亜種に関しては亜種を採取、捕縛しなければ表示されません。最後に複製マップは譲渡することができ、譲渡された者の記録もまた全マップに反映されます。


だって。便利そうな道具だけど・・・う~む、複製マップに個別設定ができるなら考えるなぁ。まぁ、詳しくはコアに後で聞くとして


「さて、これから村へ行く準備もあらかた終わっているが抜けていることもあるかもしれん。それにそこ二人とジルバは昼がまだであろう。我も少々やることもある。昼を取るついでに確認もお願いしたいのだが、良いか?」

「分かりやした。お嬢」

「では、マリア、彼らに」

『はい、承知しております。先生にも声をかけてまいります』


そう言い、手の中でかなり暴れる麻袋を抱え直し、マリアの後を追って自分も部屋を出ようとし


「あ、お嬢!外の狼たちにもねぎらいの声をかけてやってほしいっス!」

「あぁ、そうだな」


振り返るとギルバさんがかなり焦った様子である。何かあるのだろうか?

まぁ、でもそれぐらいはしないと・・後ろから襲われる可能性だってあるか。そんなの嫌だし。


すぐに外へと振り返り歩き出すのだった。走るのはなんか違う気がするし。


~・~・~・~・~・~・~・~


あぁ、なるほど。なんで焦っていたのか良くわかった。

店を出て目の前に小さい山ができていたのだ。横に回ってやっと問題が見えてきた。

店の前にあるのは、大型の草食動物、二頭とこれまた大型の肉食動物が一頭。中型の肉食動物の数匹が乗った生き物の山。その向こうにシャルが陣取り、それまた奥に八匹の狼が伏せをしながらも少し血走った目で肉の山を見つめ、時折ピクッピクッと・・今にも飛びかからんとしている。

考えてみれば、彼らとて食糧難なのは変わらないだろう。

さて、何をあげればいいのか。


「ねぇ、草食動物らしき生き物一頭は置いとくとして・・・後何を持っていくべき?」

「そうっすね。一番上の二匹ぐらいっすかねぇ。それ以上は重くて持ち運びが困難っス」


え?持ち運びする・・いや、ここにあるってことはそういう事か。


「何ギョッとした顔しているんすか・・ちなみにこの大きいジラムをギラムス一人で持ってきたっす。おいらとジラムは途中休みながらこっちを担いできたっス。あ、あのジラムの名前はこいつから来てるそうっスヨ。あとは狼たちが頑張って運んでくれたっス。大変だったんすよ。言われてたもん探して採って、捕まえて、戻りだしたところにこれの群れを見つけて・・何とか倒して、持ち運んでたら、こっちのタガーベアがこれ狙って現れて・・・狼たちが居なけりゃ死んでたっス」


草食動物の大きいほうを叩き、苦労話をしている間、捕まえたそれらを間近で見てみる。どうやらジラムというのは牛・・なんだろう。牛と言ってもすらっとした体にシカやヤギよりか、小さい顔の牛である。一番特徴的なのはそのつのの付き方か。目元より少し上から頭頂部全体を覆うよう板状になっており、後頭部に少し張り出した所で真ん中で別れ湾曲し横に張り出し、前を向いて先を向けている。闘牛としてよく見る牛のような角の先のようである。こんな角の山羊だったか羊だったかどっかで見たような気もしないでもない。

今度はクマの方を見てみる。クマはクマである。ただ人差し指のみが異様に太くそして長い。その先の爪がほかの爪よりも発達しておりナイフのような鋭い爪をしているのだ。たぶんこれが名前の由来なのだろう。鼻先にかぶりついて倒したのか外傷が見当たらない。綺麗な毛皮だ・・切り裂かれるのは少々残念な気もする。


「ちなみに皮を剥ぐってすぐできる?」

「無理っス。ササッと済む作業じゃないっす」

「なら・・・ちなみにお腹を切り裂いて手足に切れ込みいれて彼らに贈呈ってのは・・やっぱり皮が痛む?」

「した事無いっすが・・・それぐらいならすぐにできるっス」

「なら、この小さいほうと小型の動物を全部持っていくとして・・このクマとこっちの大きいほうをシャルあげるから、そっちの方に持っていって」


今まで子供たちの方を見ていたシャルだが、さっきから耳がこっちを向いていることに気が付き、声をかけてみる。すぐにのそっと起きだすとすぐにクマの首元を噛み首を一振り、軽々とクマが空を飛びシャルの背中に。すごい芸当である。軽くもう一振りして大きいほうのジラムも・・・うわ・・重くないの?そのまま前足を軽く低くし、後ろ脚を踏ん張って頭を低くお尻をあげるという変わった格好で庭の方へと・・・引きずりながら進んでいく。その後ろをチラチラこちらを見つつも狼たちが追う。


「面白い歩き方・・・は良いとして、ギルバさん」

「え?あ!分かったっス!、じゃなくて分かりました!いってくる!きます!」


慌ててナイフを確認してから後を追っていくのであった。それにしても良くそれで落とさないなぁと今だ暴れる麻袋を抱えながら呆然とシャルたちを見送るのであった。

【ヘルプ:マップ】

マップとはその地域の地形を書き表した図の事である。基本はマップ用用紙を所持することまたはマップ画面を一度開くことでその周辺の地形を大まかに知ることができる。初期は真っ白な紙であり、所持している物の近い周辺から広域マップまで表示することができる。またアイテムには白紙と地域(複製)マップがある。白紙を持つことで所持者の知っている地域の情報が移され、それを購買する、譲渡してもらう事で知らないマップを知ることができる。世界を全て網羅するマップは幻とまで言われているらしい。また白紙マップからの所有者であれば様々な設定があり、譲渡回数から複製マップの反映範囲(複製、原本全てから原紙のみ、本紙のみまで)など様々な設定ができる。再設定は不可である。

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