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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
2章 森の中を東行西走!~森の異常の原因はどこにある?~
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18.さ、お出かけしましょ!-1-

「よく眠れたかな?」

「へぇ!」


この建物に日がやっと当たるぐらいになった頃(たぶん八時か九時ぐらいだと思う)昨日のようにレムに会うことにした。今日、または明日、彼女の村へと案内してもらうための話し合いだ。まずはどういう理由でそうなったのか説明してからだな。

あ、ちなみに他二人はというとジラムさんと女王狼のシャル、そして数匹の狼と一緒に森の中で食料になる物を取ってきてもらっている。行く途中でも集めるつもりだが、それでは手土産にしては少ないだろうと思うからだ。聞いていると食糧難であることが分かるし。まぁ、最初はジラムさんとシャル達だけで行ってきてもらうつもりだったのだが、じっとしているのが苦手なのかソワソワしていた二人も食料を探してきてほしいとお願いしたというのがホントのところである。あと、食用の獣を使役テイムできるか試すための小動物を数匹とらえるようにとジラムさんには頼んでいる。

それはそうと・・レムさん、昨日よりもガチガチになってないだろうか?


「まぁ、そう固くなるな。少々お願いがあるのだ」

「お、おねげぇでぇありますかぁ?」

「あぁ、我の力をもってすればこの森を元の姿に近づける事は出来よう。だが、それではこの森を全てをどうにかするには時がかかってしまうのでな。それではいかぬだろ?」


その問いに頭を縦にカクカクと振る。


「そこでだ。まずはこの森のげん・・・あ、いや、この森がいつから・・は、分からぬか・・えぇ・・どこからどんなのような変化が起こっているかを調べることにした。どうだろうか?」

「へ、へぇ・・ですがぁ・・そなことお調べしてぇどうぅするんだかぁ?それぇにおねげぇってどう・・あ!いぇ、使い様ぁの話にぃケチ付けてるわけぇじゃねぇんですぅ!」

「疑問はもっともだ。そうだなぁ・・レムよ、そなたは得意なことはあるか?できる事でもいいが」

「と・・得意なことぉですかぁ?・・・得意と言えるかぁ分からねぇが、薬作れるぐれぇで」

「ほぅ、それはすごいではないか。では薬を作るには何が必要だ?」

「え、えぇと、まずぅ草とぉすりつぶすための石に棒が必要ですぅ」

「うむ、という事は草を道具で、すりつぶし薬を作るで良いのか?」

「へ!へぇ」


眉をひそめていたが説明すると少しポケッとした顔になり声をかけると慌てて頷く。どうしてそんな質問をするのか分からないといった風である。


「この森の異変も薬と同じだ。つまり、草の様な何かがあり、道具ですりつぶす様な変化をあったために今のような異変が起こっていると我は考えている」

「へぇ」

「だから、その何かを見つけ出し、それを解決する必要があると思うのだ」

「あ!そういう事ですかぁ。草が無けりゃぁ薬はできませぇん。その何かが無くなりゃこの森も元に戻るってことですねぇ」


戻るかどうかは保証しかねるがねぇ。


「そういう事だ。とはいえ、言っては何だが手がかりが少なすぎてなぁ」

「へぇ・・すみませぇん」

「いや、攻めているわけではない。そんなに気を落とすな。そこでだ、そなたの村まで案内してほしいのだ」

「村までぇですかぁ?」

「そうだ。恥ずかしい話だが、我はこの地に来て間もなくてな。この辺りの事をとんと知らぬのだ。そこで村までの道を案内してほしいのだ。ついでに道すがら薬草や食べられる草を教えてくれ。我自身で採ってみたいのだよ」


難しそうな顔からパッと明るくなったかと思えば申し訳なさそうにうつむき、最後に不思議そうな顔されてしまった。そんなに変なことを言っただろうか?


「確かぁもらった傷薬やぁ昨日と今日出たぁ食事はぁ使い様がぁ用意してくださったとぉ聞いていましたのでぇ」


あぁ、そんな事をしなくても食べ物とか薬を持っているのになぜそんな事をするのかという事か・・な?


「あぁ、・・うむ、そうだなぁ・・これもたとえ話をするか。そなたが二つの別々の薬を持っているとしよう。そして、一つはそなたが必要としている物だ。だが、少し手を伸ばさないと取れない所にある。ここまでは良いかな?」

「へ、へぇ」

「そしてもう一つはそなたが持ってるとしよう。そして、村のだれかがこれまたそなたが必要としている同じ薬を持っている。その村人は手元の薬とそなたの持っている二つの薬を交換すると言っている、とする。さて、そなたならどっちを手に入れる?」

「え?どっち・・ですかぁ?」

「手を伸ばして取れる物か、村人の物か、どっちを手に入れる?」

「そりゃぁ、手を伸ばしますぅ。取れるところにあるのにわざわざ村人のもん手に入れなぁでも」

「そうだな。しかし、我がしたことはわざわざ村人の物と交換して手に入れたのだよ」

「あぁ、だからぁ、採れる物をぉ教えてほしいんですねぇ」

「そういう事だ」

「でもぉ、それならぁ、おらぁ達がぁ用意よぉいしますぅ」

「いや、我も知りたいのだよ。一人で森の中に居る時、何も分からぬでは生きてはいけぬだろ?」

「そりゃぁ、そうですがぁ・・分かりましたぁ。村への案内とぉ、おらぁや兄さ達が分かるもんだけですがぁ食べれるもん、お教えいたしますぅ」

「よろしく頼む。さて、そろそろ昼だ。外に出ている者も帰ってるだろうし、昼を食べよう。その後の事は食べた後にでも考えよう」


それはもうとてもいい笑顔で話しつつ階段を下りながら、私はふと考えていた。

ダンジョン強化とかダンジョン防衛線を張るとかしないうちにダンジョンを出るダンジョンマスターって・・・どうなんだろうと。まぁ、なるようになるだよね。うん。


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