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リナちゃんのダンジョン経営!  作者: 龍華
1章 目覚め ~ダンジョン初心の森 怒涛の三日間?~
17/117

17.厄介ごと、いらっしゃ~い!-6-

一章をここで終了します。

ついでにタイトル変更しました。


さて、この後どうするか全く考えてない・・・

どうしよう・・・

「ご馳走様でした。と、落ち着いたところで今後の話をしたいと思います」


無言でマリアさんがお皿を下げ、台所で洗い物をしている横で私は周りを見渡した。ちなみに私が慌ててご飯を食べてる横で先生達ははマリアさんが淹れた紅茶を飲んでたりして・・・今更かもしれないがアンデッドって飲み食いできるんだ。

ちょっと不思議。


「それで、どうするんだ」

「まず、決定事項として、彼らを助けることにしました」


そういうと先生達も頷いてくれる。


「まぁ、ここで放り出すのもなんか嫌っすからね。で、話はそれだけっすか?」

「んん、みんなに手伝ってもらって問題の洗い出しするの」

「問題の洗い出しか。しかし、それならすぐだろう?ようは魔素の増大による障害なのだからな」

「それはそうなんだけどねぇ」


話は終わりだというような先生に苦笑する。

たぶんこの話はそんな拡大するだけで問題が解決するという部類の話ではない気がするのだ。


『お嬢様がおっしゃりたいことはそういう事ではないのでは?』

「それだけっと言えば、それだけなんだけど・・・まず話を整理しようか」

「あぁ・・分かった」

「じゃ、まず、彼らの話だと問題として上がったことは、森の生き物が狂暴化して、木々が目に見えて枯れ始め、他の人種が姿を現すようになった。ここまでは良い?」


1つずつ指を立てて話すと、皆さんが頷く。さて、ここからが問題なのだ。


「この話から、さっき先生が言ったけど魔素が増大した障害と思った。これも良いよね」

「あぁ」

「じゃぁ、先生昼間の話に戻すけど、魔素はどう生まれる?」

「はぁ?何をいまさら」

「良いから、誰でもいいけど答えて」


一層不機嫌ですという顔になった先生から目をそらし周りを見渡すとギルバさんが恐る恐る手をあげる。


「じゃ、じゃぁ、おいらが。えっと死んだり、壊したり、または生活していたら発生するっす」

「うん。それじゃ、なんでこの世界に魔素は溢れかえらないの?」

『それはそれぞれの生き物などが吸収・し?・・・あ!』

「なるほど・・問題だな」


どうやら、先生とマリアさんは気付いたようだ。ギルバさんはまだわからないようだけど。タマはいつも以上にニコニコしている。まるで、授業参観で自分の子が回答に正解してとてもうれしいといった感じの顔である。・・・いや、その通りなんだけど、周りにどうだ、私の子はと自慢しないだけましか。


「そう、成長したり生きてるだけで魔素を取り込んで循環しているから溢れない」

「・・・どういうことっす?」

『つまり、この森は今まではダンジョンが発生するほど魔素は無かったという事です』

「え?えぇと?それで?」

「まだわかんない?今までは魔素的には問題がなかったのが、いつの間にか、その許容量以上の魔素が発生して、目に見えて問題が現れてきているんだよ」

「ん・・・ん?分かんないっす。でも分かる気がするっス」

「どっちだよ。まぁ、良いや。それで魔素の増大がいつからってのも問題なんだよね」

「そう、これがちょっとずつ溜まってきて起こった慢性的な原因だと私たちには分かんない可能性が高いし、その場合は一気にダンジョンを広げて経過観察するで良いと思う。ただし、これが急性的な問題ならその原因を取り除いてゆっくりダンジョンを構築していこうかと思ってる」

「つまり・・この森の現状を調査をするってことっすね」

「そういう事。あと村々を回って顔を繋げるのと聞き取り調査だね。一応明日からの方針が決まった所で」


そこで区切って私は先生と向き合った。ここからは先生との話となるからだ。


「先生、昼に言いそびれた話なんだけど」

「なんだ?」

「これで契約内容の一つを破棄または訂正してくれない?」


そういって一つの玉を取り出す。言わずもがな魔水晶である。それに不満ですというような顔・・・なんかいつもの顔だから真顔なのかもしれないんだけど。私から見たらそんな風にとれる顔をしている。


「・・・DPの話か」

「そう、やっぱり8割取られるのはやっぱりきついからね」

「それで、破棄か」

「うん、だめ?」

「・・・・5割までだ」

「それじゃぁ、困るよ。一割ぐらいにならない?」

「何を言っている。3割だ。それ以上は割けん」

「・・・もう一声っと言いたいけどそれいうとへそ曲げそうだし、ここではそれで手をうつよ。コア」

『承知しました』


コアの声に伴って光が集まり空中に二枚の紙が現れた。それは契約書だ。そこにそれぞれの内容が記載されそれぞれの名前を書く欄が。


『内容をお確かめの上、手をかざし、契約すると宣言してください』

「・・・まさか、この契約書を持ち出してくるとはな・・」

「なんか知らないけど、契約する」

「・・・・契約する」


互いがそういうと今度は光の粒子が集まり・・・署名欄に文字が現れる。たぶん私と先生の名前だろう。するとそのままするすると巻かれ・・・光の粒子となったと思ったら今度は二つの小さな玉になって、ゆっくり互いの手の平まで飛んできて触れたと思ったら消えていった。その間手を動かそうにも動かなかった。ちなみに何か異変があるという事もなさそうだ。


「まぁ、良いか」

「軽いな」

「はぁ・・・初めて見たっス」

『私もです』

「ふぅん?それじゃ、今日はここまで。良い子は寝る時間だしお休みなさい」

「あぁ」「お休み~」

『お休みなさいませ』

「へ?あ、おやすみなさい・・・変な汗かいたんで、おいらお風呂もう一回行ってくるっス」

「そう?じゃ、僕は彼らと一緒に先に寝るね」

『私は一度戻ります』

「そうか、ならこれをいくつか持ってきてくれ」

『承知しました』


なんとなく聞こえてきた声に私ははっとする。何か伝え忘れているような・・。すぐに思い出せないってことはそんなに重要じゃないよねと階段横の窓を見上げ・・今日も綺麗な月が見えるなぁと


「ぎゃぁぁ!!!」


不意に響いた悲鳴はギルバさんの物だ。

確かお風呂・・あ、この時間、スライムがお風呂掃除しているころだってこと忘れてた。失敗!失敗!

そんな事を思い出しつつ自分の部屋に引っ込むのだった。


【ヘルプ:魔素】

・・・

しかし、放出された魔素は食事や呼吸することで自然と取り込まれバランスを崩すことなく循環しているのである。ただし、例外はいくつかある。大地に含まれる魔素が高濃度の火山や山脈、魔素が吹き溜まる洞窟、死にかけた森林といった所である。また、人為的に発生する場所としては自然を無視した都市、墓場、戦場といった所があげられる。

【ヘルプ:神々の契約】

神々の契約と称されるこの契約書は実のところどういうものか分かってはいない。ただし、全ての者が、内容を理解し書面を作成、承諾し、それを声に出して承諾することを宣言することで交わされる契約が全てこう呼ばれている。また、この契約は互いがその旨を理解し破棄しない限りどんな内容でも必ず実行される。また、内容違反をしようとしてもできない。さらにこの契約書は交わされた後、神々の書庫へと送られると言われており当人たち以外にどうこう出来ることではない。またどちらかが死亡後は継承事項が内容に盛り込まれている場合以外、速やかに破棄される。


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